あなたは、遠くにいる人とやり取りする時にどうしていますか。
電話は、相手が出るまで何回もかけなおさなければなりません。電話を受けるほうも、「今、大丈夫ですか」と聞かれたら、「都合が悪いので、後で」とはなかなか言えません。していたことを中断して電話で話します。電話は、かけるほうも受けるほうも、時間を取られてしまいます。
LINEというSNSを使う人もいます。LINEでメッセージを送れば、相手は時間のある時にメッセージを見られます。でも、LINEを送ったらできるだけ早く[既読]になってほしいし、すぐに返事してもらいたくなります。
メールはどうですか。SNSやSMS(ショートメッセージ)とどこが違いますか。
メールについてまず知っておきたいこと
ここから考えていくのは、インターネットを使ったメールです。
インターネットを使ったメールは郵便に似ています。あなたは手紙を書いたら、道路のところにある郵便ポストに入れます。郵便局の人は、あちこちの郵便ポストから郵便物を集めてきます。そして仕訳けて、送り先に配達します。
インターネットを使ったメールも同じようになっています。詳しくは後で考えますが、あなたが書いたメールは、インターネットを通って、送り先に届きます。インターネットは、世界中をつなぐ道路のようなものです。
ワンポイント-電子メール? E-Mail?
飛行機を使う国際郵便のことをエアメールといいます。それと区別するために、コンピューターでのメールを電子メール(E-Mail)と呼ぶようになりました。今では、「電子」と付けなくてもみんながわかるようになりました。この記事でも、インターネットを使った電子メールのことを、メールと書きます。
メールはメールアドレスが住所になる。
郵便を使うには、送る人も受け取る人も住所が必要です。メールでは、メールアドレスが住所になります。
ワンポイント-メールアドレスには@がある。
コンピューターの話になると、たくさん英文字が出てきて難しく感じるかもしれません。実は、コンピューターも英文の意味なんてわかっていません。それで、記号を混ぜて、その記号が使われたらどうするかを決めています。わたしたちも記号を知っておくと、英語がわからなくても、何が書いてあるかわかるようになります。よく使われる記号を3つ考えましょう。
[@(アットマーク)]は、メールアドレスで使います。メールアドレスは、[xxxx@yyy.zzz]のように書きます。
[https://または、http://]は、WebサイトのURLです。URLについては記事があります。
[#]は、SNSで使われているハッシュタグです。ハッシュタグについては記事があります。
メールを誰かに送信したいなら、まずあなたがメールアドレスを持っていなければなりません。もちろん、相手のメールアドレスも知っていなければなりません。
メールはSNSとどこが違う?
LINEは、相手と直接やり取りするためのSNSです。
XやFacebookなどのSNSにも、相手と直接やり取りするダイレクトメッセージ(DM)という仕組みがあります。
メールはSNSと何が違うのでしょうか。相手と直接やり取りするのは同じように見えます。
SNSでは、相手が同じSNSを使っていないと直接やり取りできません。LINEでやり取りしたいなら、相手もLINEを使っていなければなりません。Xは使っていてもLINEは使っていない人とはやり取りできません。逆も同じで、XやFacebookのダイレクトメッセージでは、LINEしか使っていない人とはやり取りはできません。
LINEは、日本ではかなり普及していますが、中国やサウジアラビアやキューバのように、禁止になっている国や制限がかかっている国もあります。世界から見ると、LINEを使っている人はそんなに多くありません。日本でもLINEを使わなくしようとしている人たちもいます。ですから、LINEがあればメールはいらなくなると考えるのは間違いです。
メールは、送り先のメールアドレスさえわかればどこにでも送れます。例えば、Googleという会社が使わせてくれているGmailのメールアドレスから、Yahooという会社が使わせてくれているYahooメールのメールアドレスに送信できます。
サーバーをレンタルして、自分の会社のメールアドレスを作る人もいます。
ワンポイント-会社などの組織内だけで使えるメールもある。
会社内や組織内でしか使えないメールもあります。
エホバの組織で奉仕する人たちが使っているJWPUB.ORGもそうです。発信者は、自分のJWPUB.ORGのメールアドレスが必要で、JWPUB.ORGのメールアドレスにしか送信できません。
GmailなどのメールアドレスからJWPUB.ORGのメールアドレスには送信できませんし、JWPUB.ORGのメールアドレスからJWPUB.ORGではないメールアドレスには送信できません。
この記事では、JWPUB.ORGのような組織内でしか使えないメールのことは扱いません。
メールはSMSとどこが違う?
SMS(ショートメッセージ)は、電話で送信と受信ができる文字のメッセージです。
ワンポイント-電話番号のあるプランが必要。
SMSを受信するには、電話番号が必要です。それで、スマートフォンやフィーチャーフォン(スマートフォンではない携帯電話)で使えます。日本は固定電話では使えません。
音声通話のないデータ通信専用のプランではSMSは使えません。電話番号がないからです。
音声通話とデータ通信専用のプランについては、記事があります。
https://ms-ssd.jp/doc/archives/280
SMSの使えるプランを契約するには、マイナンバーカードや運転免許証などを使って身元確認します。
それで、SMSは、きちんと身元確認された人だけが使っているはずなので、暗証番号などの大切なことをやり取りできます。
メールは、送信する人も、受信する人も、メールアドレスを使うので、電話番号がなくても使えます。
光ファイバーケーブルを家に引いてインターネットを使えるようにしたなら、プロバイダーがあなたのメールアドレスを作ってくれたはずです。光ファイバーケーブルの工事の時の書類をよく見てください。
もちろん、他のメールアドレスを作ることもできます。
SMSは、1通送信するのに、数円の料金がかかります。受信には料金はかかりません。
メールは、何通送信しても、料金はインターネットの通信料金に含まれます。
メールの気になるところ
電話は、かかってきた時に出て、その時に聞き取って、返事しなければなりません。メールは手紙と同じなので、じっくり読み返すことができます。じっくり考えてから返信することもできます。
でも、メールよりも、電話やLINEのほうが便利だと考える人もいます。なぜでしょうか。
相手が、いつ読んでくれたかがわかりにくい。
LINEには、[既読]マークがあるので、送信したメッセージを相手がいつ読んだかがわかります。
メールは、相手が返信してくれないと、ちゃんと届いたのか、いつ届いたかがわかりません。インターネットのつながりが悪いため、届くのにとても時間がかかることもあります。
届いても、返信しない人や返信するのに時間がかかる人がいます。
ワンポイント-[開封確認の要求]は失礼?
メールは、相手が「届いた」という返信をくれないと、いつ届いたかがわかりません。
それで、メールには、[開封確認の要求]という機能があります。これは、メールを受信した時に返信を自動的に作る機能です。自動的に作られる返信は、届いたことだけを知らせるものです。
でも、じっくり読んでから、自分で返信したい人や、届いたかどうかだけを返信させるのはマナーが悪いと考える人もいます。まるでストーカーのように、いつメールを読むのか監視されていると考えてしまうのでしょうか。
しかし、LINEには[既読]マークがありますし、郵便にも配達されたことを記録するサービスがあります。仕事の連絡などの大切なメールこそ[開封確認の要求]を使ったほうが、「これは大切なメールです」という気持ちを伝えられます。
きちんとした文章を書くのが面倒くさい。
メールは、題名と本文の両方を書かなければなりません。題名を付けないで送ったり、題名のところに内容まで書いて本文を空白にしたりすると、迷惑メールとして扱われることがあります。確かに、いちいち題名と本文の両方を考えるのは面倒くさいかもしれません。
メールは、会話のような文章よりもきちんとした文章で書きます。きちんとした文章を書けるようにしておくのは、メール以外の時にもとても役立ちます。
何でも添付できるので、悪いものも送られてくるかもしれない。
添付ファイルは、文章と一緒に送る写真などのことです。
LINEでは、文書ファイルや写真を添付することができますが、送れない種類のファイルもあります。
メールは、どんなファイルでも添付できます。これは便利ですが、危険もあります。コンピューターに悪いことをさせるマルウェアも添付できるからです。コンピューターウィルスもマルウェアです。
それで今は、メールで送られてきたファイルは、とても注意深くチェックするようになっています。