コンピューターの中のデータは、お金と同じぐらい大切なものです。
あなたのコンピューターにも時間をかけて作った仕事の資料や、もう会えない人の写真があるかもしれません。
会社や官公庁は、もっと大切なデータがあっていつでも取り出したり書き換えたりしています。そうするには、大きいコンピューターが必要です。
さて、その大きいコンピューターはどこにありますか。自分の敷地ですか。それとも遠くのどこかですか。
クラウドって何?
ざっくり言うと、クラウドは、インターネット上の大きいコンピューターのことです。それで、クラウドコンピューターとかクラウドサーバーとも言います。クラウドを使うことをクラウドコンピューティングといいます。
今まで、サーバーというインターネット上の大きいコンピューターについて考えました。サーバーには、記事を公開するものや、メールのやり取りをするものなど、いろいろな種類があります。クラウドも、サーバーの種類の1つです。
会社や官公庁では、サーバーがないと困ります。1台1台のコンピューターでは扱えないようなデータを扱うからです。
サーバーは、いつでもちゃんと動いていなければなりません。誰かにいたずらされたり攻撃されたりしては困ります。サーバーがちゃんと動くには、電源がしっかりしていて、警備が厳重でなければなりません。何か起きた時のために、専門の管理者たちも必要です。
自分の敷地にサーバーを設置しようとすると、サーバーそのものを準備するだけでなく、しっかりした建物がないといけません。サーバーのような大きいコンピューターは、熱とホコリが大きな敵だからです。それだけでなく、いつも警備員や管理者がいるようにしておかなければなりません。
それで、自分の敷地にサーバーを設置するには、時間がかかってしまいます。
クラウドは、インターネット上の大きいコンピューターです。クラウドの業者が管理していて、どこあるかを使うわたしたちが気にする必要はありません。クラウドは、電源や警備がしっかりしているのはもちろんのこと、何かが起きても専門の管理者がすぐに対応します。
大きいコンピューターが必要になったらすぐにレンタルできるのが、クラウドの良いところです。
クラウドじゃないと時代遅れ??
「時代はもうサーバーじゃなくてクラウドだ」のように、クラウドという言葉をサーバーという言葉の反対の意味で使う人がいます。でも、クラウドもサーバーの種類の1つです。
自分の敷地にあるサーバーのことを、オンプレミスのサーバーといいます。オンプレミスという言葉は、敷地内にあることや、自分たちで運用しているという意味です。
クラウドは、クラウドの業者がきちんとした建物できちんと管理してくれるので、どこにあるのかは気にしなくて済みます。
オンプレミスのサーバーは時代遅れなのでしょうか。
確かに、クラウドを絶対に使いたくないと感じるのは、銀行は絶対に信じられないので手元に現金があったほうが安心だと感じるのと似ています。
でも、オンプレミスのサーバーではなく全部クラウドにしないと時代遅れになると考えるのは、正しくありません。
大きな会社なら、自分の敷地にサーバーがあったほうが便利かもしれません。自分たちでいつでも機器を付け加えたり変更できたりするからです。
それに、クラウドは、インターネット上の大きいコンピューターなので、何かでインターネットがつながらなくなると使えなくなります。もちろん、クラウドのセキュリティはしっかりしていますが、それでも仕事の極秘データなどはオンプレミスのサーバーに保存したくなります。
そこまで大きくない会社なら、クラウドをレンタルしたほうが費用を抑えられるかもしれません。官公庁でも、クラウドを使っているところもあるようです。
お金を全部銀行に預けて現金を絶対持たなくすると困る時があります。銀行に預けるのと手元に持つ現金の両方あったほうが便利です。
同じように、オンプレミスのサーバーとクラウドのどちらかだけを使えばいいという考え方ではなく、両方をうまく組み合わせて使うという考え方のほうが時代に合っています。
クラウドについてこれだけは知っておきたいこと
クラウドは、手で触ったり目で見たりはできませんが、次の2つのことだけは知っておきましょう。
- クラウドは、インターネット上にある大きいコンピューターです。
- どこにあるかを気にする必要はありません。
でも、あなたはクラウドとどう関係していますか。実は、もうあなたはクラウドを使っています。
ワンポイント-クラウドファンディングには注意。
クラウドファンディング(クラファン)は、募金のようなものです。発明品を完成させて製品にしたい時や、難しい病気で治すのにたくさんお金がかかる、など、インターネットでみんなからお金を集めることです。
この記事で考えたクラウドコンピューターとはほとんど関係ありません。
クラウドファンディングでお金を集めている人たちは、本当にきちんとしている人たちもいれば、ずるいことを考えている人たちもいます。よく調べないと、あなたのお金が良くない人たちを助けることになります。