聖書の神様の性格は、愛の一言に尽きます。もちろん、この愛は、男女や“多様な性”が感じるようなロマンティックな気持ちのことではありません。本物の愛は、相手のためになることを考えて、喜んで何でもしようとする気持ちです。たとえ、自分が損するとしても相手のことを助けます。
神様に似たものとして人間は造られているので、人間も、本物の愛を成長させていけます。
本物の愛を成長させていくとどういう人になる?
自分勝手な人が増えたので、本物の愛がどういうことかがわからなくなっています。それで、聖書は本物の愛がどういうことかわかるように、本物の愛を成長させている人が、喜んですることと、しなくなることをリストアップしています。本物の愛を育てていくと、自分や他の人に、どんなことを喜んでするようになるか、逆にどんなことはしなくなるかを考えてみましょう。
本物の愛を成長させている人が喜んでするようになること
- 人に辛抱強く接する。
- 親切。
- 正直。
- 人の失敗をカバーする。
- 仲間を信頼する。
- 仲間が良くなるように助ける。
- がっかりしてつらくなっても、しっかりする。
本物の愛を成長させている人がしなくなること
- 他人のことをうらやましく感じて、心を腐らせる。
- 自分を見せびらかす。
- 上から目線で、人を見下す。
- マナーをやぶって、人に迷惑をかける。
- 自分中心に考える。
- 嫌なことをされたら、ずっといらいらしたままにする。
- 傷つけられたことをいつまでも忘れない。
- 他の人の不幸を喜ぶ。
もちろん、これは本物の愛の全部をリストにしたものではありません。
本物の愛を成長させている人は、心の奥から熱い気持ちが湧き上がってきて、神様にも周りの人たちにも喜ばれる生き方をします。
本物の愛はSNSでどんなふうに役立つ?
本物の愛を成長させていくと、良いことがたくさんあります。本物の愛があればSNSも、トラブルを起こさない使い方ができます。
自分の考えや気持ちを発信する時。
SNSは、感じた気持ちを、良いことと悪いことを整理しないまま発信してしまいます。そうすると、ついつい自分中心の考え方になります。例えば、誰かの失敗を大げさに言ったり笑いものにしたりするかもしれません。
本物の愛があれば、じっくり考えて、誰も傷つかないような言葉で発信します。そもそも、SNSで発信していいことなのか、SNSに発信しないでカバーしておくほうがいいのかを考えます。SNSで発信するよりも、直接話し合ったり、専門の窓口に相談したり、警察などに持ち込んだりしたほうが、後ですっきり解決できることもあるでしょう。
お酒を飲むと気持ちが大きくなって、上から目線になりやすいです。また、自分が喜んでいると、ついつい他の人も喜んでくれると考えます。
例えば、結婚を決めたとか、赤ちゃんが産まれることは、本当にうれしいことです。でも、長い間ふさわしい結婚相手を探している人や、事情があって今は子供を持てない人もいます。そういう人たちをがっかりさせるような言葉を使うと、うれしい発信が台無しです。
どんなに気をつけても、あなたの発信に反対する人や怒りを感じる人もいるかもしれません、それに、あなたには正しく思えても、後でよく調べたら大間違いだったということもあります。
そういう時は、間違いを認めて、正直になりましょう。自分が正しいと思い込んで言い訳をするのは、間違いの上に間違いを重ねていくようなものです。
写真や動画を撮影する時。
スマートフォンがあれば、すぐに撮影してSNSに発信できます。スマートフォンのカメラはどんどん性能が高くなっています。
スマートフォンでもスマートフォンでなくても、カメラがあると、ついつい写真や動画を撮影したい気持ちになります。SNSで発信すれば、世界中の人が[👍Good]ボタンを押したり、コメントをくれたりするので、どんどん撮影したくなります。
収益化していると、いい写真や動画をSNSで発信すれば、それだけお金になります。
そうすると、撮影するためにマナーをやぶって迷惑をかけてもかまわないと考えてしまいます。入ってはいけないところに入り込んだり、禁止されていても撮影したりします。
そこまでマナーをやぶらないとしても、カメラを持つと、ついつい周りのことを気にしなくなってしまいます。あなたもカメラをかまえて、足元の段差に気づかないとか、あなたが撮影を終わるのを誰かが長く待っていることに気がつかないことがあったかもしれません。
ついつい買ったものや家を見せびらかしたくなる人もいます。実は、お金がなくて、借金をしてまで見せびらかすための写真や動画を撮影する人もいます。最初は見てくれる人もうらやましく思うかもしれませんが、だんだん見るのが嫌になってしまいます。
裸に近い写真や動画のほうが[👍Good]ボタンを押してもらえます。でも、それは自分のことを安売りしすぎています。そういう写真や動画がもとで、犯罪に巻き込まれたり、学校や仕事で立場を失ったりします。
ワンポイント-撮影して本当に大丈夫?
カメラには、許可されたものだけを撮影する、という考え方と、何でも自由に撮影する権利がある、という考え方があります。
国や場所によっては、撮影しただけで逮捕されることもあります。そういう決まりになっていなくても、マナーをやぶって迷惑をかけるような撮影はしてはいけません。
また、家族だとしても、子供が服を着ていない時に撮影すると、“児童ポルノ”だと判断されて、コンピューターが使えなくなってしまいます。これは、とても厳しく扱われているようです。
テレビや週刊誌のカメラマンのように、“有名人”を無理やり撮影するのも、自分中心の考え方です。
たとえ、撮影させてもらえたとしても、SNSで公開したりはしないようにしましょう。
カメラを持つ時は、本当に自分が撮影してもかまわないかよく考えましょう。
他の人の発信を見る時。
SNSでは、見せびらかそうとする人が大勢います。そういう発信をずっと見ていると、うらやましくなってきます。誰かと比べて、自分は何も持ってないと考えると、がっかりしたり、怒りの気持ちがわいたりして、心が腐ってきます。
でも、SNSでは、うまくいっていることだけを発信して、うまくいってないことは全部隠しているかもしれません。そういう発信をうらやましく感じるのは、偽の宝物のために危険なことをするようなもので、無駄なことです。
SNSで、あなたやあなたの知り合いが悪く言われたら、あなたもSNSで反論したくなりますか。あなたの反論でうまく解決することはほとんどありません。SNSを見ている人たちは、誰かと誰かが言い合いになるのを面白がるだけです。
ひどい悪口は、自分の力で解決できません。学校や仕事場の相談窓口を使ったり、警察に相談したりできます。
そこまでひどい悪口ではないなら、悪口のSNSを見ないようにします。悪口の発信者をフォローしているならフォローをやめましょう。そうすれば、悪口の発信が続いても、あなたはそれを見ないで済みます。SNSで何を言われているか気になりますか。気になって見ようとすればまた傷つくだけです。
SNSは、いろいろな人が使っています。子供のころから「ありがとう」や「ごめんなさい」を言ったことがない人もいます。あなたにとっては“普通”や“常識”だとしても、他の人にとっては“普通”や“常識”だとは限りません。
それで、あなたの“普通”や“常識”で、何でも決めつけないようにしましょう。もしかすると、SNSを使っている人たちの中では、あなたの“普通”や“常識”と同じ考えの人は少ないかもしれません。
なぜSNSは問題が起きやすいのか
本物の愛を成長させている人たちは、普段の生活でもうまくやっていけるように、SNSを使う時もかなりうまくやっていけることがわかりました。
でも、なぜSNSで問題が起きやすいのでしょうか。
あなたは交通ルールを知っているはずです。子供のころから、信号の見方や歩道を歩くことを教わってきました。大人でも、自動車を運転できるようになるためには教習所に行きます。
もしも、子供のころ、交通ルールを教えてもらえないで、大人になっても、自動車も教習所に行かないで無免許で運転できるとしたらどうなると思いますか。あちこちで事故が起こり、毎日危険なことに遭うでしょう。命を落とす人も多くなります。
SNSはそれに近くなっています。誰もSNSの使い方を教えてくれません。ここでいうSNSの使い方というのは、文字入力や写真の加工などの操作方法のことではありません。どういう気持ちで発信すると見ている人たちをがっかりさせるか、とか、SNSで見て役に立つものと見てはいけないものの区別のつけ方、という使い方のことです。わたしたちは、そういうことを誰からも教わらないうちにSNSを使うようになりました。だから、あちこちで炎上したり、考え方がゆがんだり、心が傷ついたりします。SNSがもとで命を落とす人もいます。
信号が見にくいとか、事故が起きやすい道路は、だんだん工事されて安全になっていくものです。
SNSも、嘘や傷つく発信を取り除き、有害な発信をさせないような“工事”をしていく必要があります。でも、そういう“工事”は進んでいません。逆に、嘘の発信をチェックする機能をなくそうとしています。
SNSを使う時にこれだけは気をつけたい5つのこと
今は、SNSを使う人がそれぞれ気をつけるしかありません。ここで、SNSを使う時に、これだけは気をつけたいことを5つ考えます。
SNSでの発信も「あなた」のしていること。
普段はおとなしいのに、SNSでは乱暴な発信をする人がいます。確かに、文字数制限があるSNSや、文字入力が面倒なので、敬語やていねい語は使いたくなくなります。だからといって、強く気持ちを発信するために乱暴な言葉や下品な言葉を使ってもいいわけではありません。
乱暴な発信をする人は、まるで、SNSは、現実世界とは別の異世界のように考えているのでしょう。でも、現実の言葉も、SNSでの発信も、どちらもその人がしていることです。
やろうと思えば、SNSでの発信から、現実のあなたを特定できます。SNSは、現実世界の一部で、異世界ではありません。
SNSで乱暴な言葉を使っているとしたら、普段のその人の心も乱暴なところがあります。いつか隠しておけなくなるかもしれません。
SNSは承認欲求を満たすためのものではない。
誰かから認められたいと思うことを承認欲求といいます。承認欲求は、人間に必要なものです。SNSでの発信に、誰かが[👍Good]を押すと、承認欲求が満たされて気持ちよさを味わえます。
でも、SNSだけで承認欲求を満たそうとするのは間違いです。
承認欲求は、誰かのためになることをして、神様や他の人から喜ばれたり、感謝されたりして満たすものだからです。
SNSの全部のことを信じてはいけない。
SNSには、役に立つ内容もあれば、嘘の内容もあります。はっきり嘘とは言い切れなくても、少し違うところがあるものもあります。SNSには、本当と嘘をチェックする機能はほとんどありません。
SNSを見たからと言って本当のことがよくわかったと思い込まないようにしましょう。
SNSを使う時は、ちゃんとじっくり考える。
SNSは簡単に発信できるので、気をつけないと、じっくり考える力が弱くなってしまいます。気持ちばかりが膨れ上がって、上から目線で自分中心の発信になってしまいます。後で読み返すと、本当とは違うことを書いてしまっていたり、意味がわからないことを言っていたりします。
他の人の発信を見る時も、じっくり考える必要があります。発信の一部だけを読み取って悪く感じることがありますか。
あなたの感じ方は、本当に発信者が考えた通りですか。その人の発信全部をじっくり見ると、違う意味が見えることもあります。
その発信者が上手にSNSを使えていなくて、うっかり上から目線になってしまっているのかもしれません。
恐ろしいことですが、悪意の誰かが、成りすまして発信していることもあります。
傷つく発信を見たとしても、こちらはちゃんとじっくり考えましょう。
SNSは使わなくなっても生きていける。
あなたはSNSで嫌な思いをしたことがありますか。SNSに時間を多くとられてしまっていますか。
もし、そうなら、SNSを使わなくするのも良い方法です。SNSには、“つながる権利”もあれば、“つながらない権利”もあります。
ある仕事の人たちは、SNSが禁止されています。エホバの証人の連絡も、SNSでは伝えてはいけないものもあります。
SNSを使うのは、自動車を運転するのに似ています。運転できれば便利ですが、免許を持っていなくても生活できます。事故を起こしやすい人や運転するのが怖くなった人は、免許を持っていても運転しなくなるでしょう。同じように、SNSを使うと便利なこともありますが、使わないと生活できないわけではありません。
SNSで嫌な思いをしたり、怖く感じたりするなら、SNSから離れることもできます。