07-02 他の人の個人の情報を守る

07-02 他の人の個人の情報を守る 追加記事A

偉人の中の偉人イエス・キリストは「人からしてほしいと思う通りに,人にもし続けなさい」と教えました。これを超える名言はなかなかありません。
[あなたの個人の情報を守る2つの理由]で、自分の個人の情報を大切に扱わなければいけないことがわかりました。

もしも、友人があなたの個人の情報を知っているとしたら、誰でも見えるようにしたりしないで、大切に扱ってほしいと思うでしょう。同じように、あなたも友人の個人の情報を知っているなら、それを大切に扱わなければなりません。
では、どうすれば他の人の個人の情報を大切に扱えますか。

あなたが知っている他の人の個人の情報

あなたも、他の人の個人の情報を知っているはずです。例えば、次のようなことです。

  • 家族の健康状態
  • クラスメートの名前
  • 仕事仲間の個人の連絡先
  • 王国会館の兄弟姉妹のメールアドレス

これは、あなたの知っている他の人の情報の一部です。あなたはもっとたくさん他の人の個人の情報を知っているはずです。

個人の情報を誰に知らせるかを決めるのはその人

お金は、どこでどう使うかは、持っている人が決めます。あなたは誰かにお金を渡して買い物を頼んだことがありますか。買ってきてほしいものをはっきり伝えます。もしも、あなたが欲しかったものとは違うものを買ってきたら、あなたはがっかりするでしょう。買ってきてほしいものが売ってないなら、あなたに確認してほしいと思いませんか。あなたのお金の使い道は、あなたが決めることです。

あなたの個人の情報は、あなたのお金と同じで、大切なものです。誰に見えるようにするかを決めるのは、あなたです。あなたの願った通りに扱ってほしいでしょう。
そうなら、他の人の個人の情報も、どのような扱いにすればいいかを決めるのは、個人の情報の持ち主だけです。他の人の個人の情報は、あなたの考えで見えるようにしてしまってはいけません。あなたの考えで勝手に扱うとどうなるでしょうか。3つの例を考えてみましょう。

クラスメートの個人の情報。

あなたが毎日学校に通っているなら、登校途中も、下校途中も、“変な人”から声をかけられたり連れ去られたりしないように気を付けているはずです。
今は、学校も気を付けていて、“変な人”に名前が知られないようにしています。“変な人”に名前が知られてしまうと、声をかけられたり連れ去られたりする危険が増えるからです。
それなのに、あなたが勝手にクラスメートの名前や住所を、“変な人”も見えるようにしてしまうと、クラスメートの危険を増やしてしまいます。
きちんとした服装で、見た目からは何ともない“変な人”もいます。そういう“変な人”は本当に危険です。見た目や言葉づかいで安心させて、個人の情報を盗み取り、悪いことをしようとしているからです。

仕事仲間の個人の情報。

あなたが仕事をしているなら、仕事と個人的なことを区別して、仕事のことは仕事の時間だけ考えたいと思っているかもしれません。あなたはそう考えないとしても、仕事仲間は仕事と個人的なことをはっきり区別したいと思っているかもしれません。
それなのに、あなたが仕事仲間の個人の連絡先を勝手に誰かに知らせてしまうと、仕事の時間以外にも連絡できるようになってしまいます。
仕事によっては、仕事で使うのと個人で使うコンピューターをはっきり区別しておかなければなりません。
それなのに、仕事仲間の個人の連絡先を誰かに知らせてしまうと、個人で使うコンピューターに仕事のデータが届くようになってしまいます。そういうことが続くと、仕事上の信用を失って立場を危うくするでしょう。

王国会館の兄弟姉妹の個人の情報。

あなたはエホバの証人ですか。エホバの証人の兄弟姉妹は仕事仲間と違って個人的な連絡もします。
あなたは、迷惑メールや信頼できない広告は受け取りたくないと思うでしょう。王国会館の兄弟姉妹も同じように感じているはずです。メールに慣れていないのに、ニセ情報が書かれた迷惑メールばかりが毎日届くようになると、メールを使いたくないと思ってしまいます。

ワンポイント-あなたに迷惑メールが送りつけられるのは、誰かがメールアドレスをもらしたから。

使ったこともないインターネットのショップからの「あなたの認証ができませんでした」というメールや、「料金未納のお知らせ」というメールは、まったくのでたらめです。そういうでたらめのメールを迷惑メールといいます。
でも、なぜ迷惑メールがあなたに送りつけられるようになったのでしょうか。誰かがあなたのメールアドレスをもらしてしまったからです。迷惑メールの発信元があなたのメールアドレスを知らなければ、迷惑メールをあなたに送りつけることはできません。
あなたのメールアドレスを知っている誰かがわざと迷惑メールの発信元に見せたかもしれません。
わざとではなくても、あなたのメールアドレスを大切に扱わない人が見えるようにしてしまったかもしれません。

王国会館の兄弟姉妹には、見せないようにしておく個人の情報がたくさんあります。あなたがそれを知っていて、見えるようにしてしまうと、兄弟姉妹の心が“攻撃”されてしまいます。身体的な危険に遭うかもしれません。

このように、他の人の個人の情報を勝手に誰かに見えるようにしてしまうと、いろいろ迷惑になります。それを避けるには、個人の情報を伝えても良いか本人に聞いてみることです。

個人の情報を取り扱うための法律

日本には、個人の情報をどう扱えばいいかを決めている個人情報保護法という法律があります。
個人情報保護法というと、官公庁や大企業が守る法律のように思うかもしれませんが、あなたにも関係のある法律です。例えば、子供のクラスの親の連絡網や、小さなお店の常連客の好みのメモや、電話帳を使った電話伝道や、再訪問先の情報など、他の人の個人の情報を調べたり集めたりすれば、もうこの法律の個人情報取扱事業者とみなされるかもしれません。
個人情報保護法は、個人の情報を隠して全く出さないようにしてしまう法律ではありません。あなたの個人の情報を、あなたが見せたい時には見えるようにして、見えないようにしておきたい時には見えないようにきちんと管理してくれるようにするものです。あなたも、誰かの個人の情報を知っているなら、その人の願うとおりに管理しなければなりません。

ワンポイント-特別な扱い方をしなければならない個人の情報もある。

本当に神様に従う人は、国の法律よりも、聖書に書かれている神様の考えを優先します。
人間の法律では罪にならないとしても、神様にとっては重い罪になる行動があります。誰かの重い罪を知ってしまったなら、聖書に基づいて、知らせるべき人にきちんと知らせてください。その時は、個人情報保護法よりも、神様の指示を優先します。
ただその時でも、聖書に基づいて、きちんと情報を知らせる人と、知らせないようにする人をはっきり区別しなければなりません。
詳しくはものみの塔研究用2021年10月号7ページ20-21節を見てください。

世界の個人の情報に対する考え方

お金や物の価値が国によって変わるように、個人の情報の大切さも国や地域によって変わります。いくつか見てみましょう。

ヨーロッパ。

ヨーロッパは、個人の情報をとても大切にしています。ナチス・ドイツは、個人の情報を勝手に集めて、ユダヤ人を見つけ出すことや徴兵することに悪用していました。その強い反省の気持ちから、個人の情報は、自分の財産だという気持ちが強くなっていったからです。

ヨーロッパには、GDPRというとても厳しい個人の情報を守る決まりがあります。ヨーロッパと個人の情報をやり取りするには、十分性認定を受ける必要があります。日本は、個人情報保護法をしっかり定めたので、十分性認定を受けられました。

アメリカ。

アメリカは、コンピューター関連企業がどんどん先に行ってしまい、法律の規制が追い付いていません。
特に、Meta(昔の名前はFacebook)、Apple、Google、Amazonという4社が独占していて、勝手に個人の情報を吸い上げて、あなたの生き方を決めつけて広告に誘導しています。もっと悪いのは、広告の中には、ニセのものがとてもたくさんあることです。
最近は、AIの学習のために勝手に個人の情報が使われているのではないかと心配する人もいます。

中国。

中国共産党は、自分たちの立場を守るために何でもします。個人の情報を勝手に集めて、反抗的な人を探し出そうとしています。
中国には、国家情報法という恐ろしい法律があります。国家情報法は、政府から要請されたら、誰でも、スパイになるようにという法律です。あなたの中国人の友達が中国政府から要請されたら、あなたの個人の情報が勝手に中国政府に筒抜けになります。
それだけではなく、中国メーカーのコンピューターやアプリを使っていると、バックドアと呼ばれる秘密の仕掛けを使って、情報が中国政府に筒抜けになります。あなたが中国メーカーのコンピューターやアプリを使っているとすると、あなたの個人の情報だけでなく、あなたが連絡を取った他の人のことも知られてしまいます。そうすると、中国では禁止されている宗教信条を持つ人の居場所がもれて逮捕されたり国外追放されたりするでしょう。

ワンポイント-中国メーカーってどこ?

まず、3つに分けて考えましょう。

  • 中国メーカー
  • 台湾メーカー
  • 別の国のメーカーの中国工場

このうち、中国の国家情報法の下にあるのは、中国メーカーです。これには次のような企業があります。

  • Lenovo(PCやタブレット)
  • Huawei(スマートフォンや通信機器)
  • Xiaomi(スマートフォンや通信機器)
  • ByteDance(TikTokの運営会社)

台湾は、まだ中国共産党とは別の政府があるので、国家情報法の影響は小さいと考えられます。台湾が中国共産党に支配されるようになると、台湾メーカーも国家情報法に従うしかありません。

まとめ

あなたは隠し事をしない人ですか。そうだとしても、見えないようにしておく個人の情報があるはずです。個人の情報が見えるようにしてしまうと、いろいろな悪いことが起きます。あなたになりすまされたり、先回りしてあなたの生き方を勝手に誘導されたりするからです。
あなたは、友達や仕事仲間や王国会館の兄弟姉妹の個人の情報を少し持っているはずです。本人の考えではなく、あなたが勝手に見えるようにしてしまってはいけません。
日本には個人情報保護法という法律があります。
その法律をよく知らなくても、それをはるかに超える「人からしてほしいと思う通りに,人にもし続けなさい」という言葉を知りました。この言葉を個人の情報を扱う時にも当てはめましょう。あなた自身の個人の情報を大切に扱ってほしいと思うなら、あなたも他の人の個人の情報を大切に扱うように気を付けましょう。

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