光ファイバーケーブルのような線を引かなくてもインターネットにつながるには、モバイルデータ通信を使います。ホームルーターも、モバイルルーターも、SIMカードをスマートフォンに取り付ける方法も、モバイルデータ通信です。
モバイルデータ通信について知っておきたいことが7つあります。この記事ではそのうちの4つを取り上げます。次の記事では3つ取り上げます。
知っておきたいこと1:Wi-Fiとは別物
モバイルデータ通信は、線をつながないので、Wi-Fiと間違えている人が多くいます。
モバイルデータ通信とWi-Fiはまったく別のものです。ここを間違えると、モバイルデータ通信もWi-Fiも正しい使い方ができません。
ざっくりいうと、Wi-Fiは、遊園地などの敷地内でしか走れない乗り物のようです。遊園地内を走る乗り物は、一般の道路には出られません。Wi-Fiも敷地内でしか使えません。Wi-Fiについては別の記事で詳しく説明します。
知っておきたいこと2:基地局とつながる
モバイルデータ通信は、近くの基地局と電波でつながる方式です。基地局というと、放送局のような大きい建物をイメージしがちですが、日本中にあるアンテナ施設のことです。基地局はビルの屋上に設置されていることもあります。
電波は、水面にできる波紋のように広がって伝わります。そのため、基地局との距離が遠いと通信が不安定になります。障害物があれば回り込むので遠くなります。雨粒や雪なども障害物になってしまいます。
あなたが家にいるなら、家の近くの基地局とつながります。あなたが王国会館に行くと、家の近くの基地局とは遠くてつながれないので、王国会館の近くの基地局とつながります。王国会館には、Wi-Fiのアクセスポイントはありますが、モバイルデータ通信の基地局はありません。
知っておきたいこと3:扱える業者は限られている
電波は、空気のように公共のものです。空気に嫌なにおいや有毒ガスが広まるとみんなが迷惑します。電波も、ノイズになるような電波が広まると、正しい通信ができなくなるので、みんなが迷惑します。
それで、電波は国が管理しています。使っていい使い方が決められています。テレビやラジオで言われる「公共の電波」とは、電波は国が管理している公共のものなので、国や国民に害のない放送をしなければならない、という意味です。国の評判を落としたり、国民に悪い影響を与えたり、個人的なことに放送を使ったりしたら、放送を許可しなくなります。
モバイルデータ通信も、国から許可された業者しか扱えません。現在、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルだけが扱っています。この4社をまとめて大手4キャリアといいます。
大手4キャリアは、国民が大きな不満を感じない値段で、いつも安定した通信を提供するように、国が監督しています。わかりにくい料金設定にして値段を釣り上げたり、大勢の利用者の通信が不安定になったりする業者は、通信を扱う許可が取り消されます。
大手4キャリアは、モバイルデータ通信の“源流”を持っています。それを小分けにして、別の業者に貸し出しています。小分けにしたものを、さらに小分けにして、多くの人に貸し出しています。モバイルデータ通信を扱っている業者がたくさんあるように見えるのは、大手4キャリアから小分けにして貸し出されているからです。
知っておきたいこと4:時間ではなく通信量で料金が決まる
モバイルデータ通信は、料金プランによって、1ヶ月間で使える通信量が決まっています。自分の料金プランの通信量を使いきってしまうと、通信制限がかかります。通信制限を解除するには、追加料金を支払わなければなりません。
通信量は、何時間通信したかではなく、どれだけの量データを通信したかで決まります。

はがきを書くことをイメージしてみましょう。1時間で、やっとはがきの半分ほどしか書けない人もいますし、小さい文字でびっしりと書く人もいます。どちらのはがきも、郵便では同じ料金で送れます。エホバの証人の開拓者なら、どちらも報告できる時間は同じです。
それと違って、モバイルデータ通信は、はがきの文字の量にあたるのがデータ通信量です。データ通信量は、MB(メガバイト)やGB(ギガバイト:おおよそMBの1000倍)という単位で計られます。
通信量のざっくりとした目安は、ものみの塔オンライン・ライブラリーで、創世記1章から50章までを読むとすると、およそ20MBの通信量です。一方、Zoomアプリで1時間やり取りすると、およそ500MBの通信量です。
創世記は、文字ばかりで通信量が少ないのに対して、Zoomアプリは、ひっきりなしに映像と音声をやり取りするので通信量が多くなります。このように、何をやり取りしたかで通信量が変わります。文字は通信量が少なく、映像や音声は通信量が多くなります。
自分の通信量を確認しない人が多いことと、業者が大容量プランを売りつけたいのが合わさって、使いきれないような大容量プランを契約している人が多いようです。
ワンポイント-通信量無制限は本当に制限がない?
通信量無制限プランがありますが、モバイルデータ通信の通信量無制限という言葉は、本当の意味での無制限ではありません。明らかな数値は公表していませんが、内部では1日の通信量上限が定められていて、それを超えると急に通信が遅くなる仕組みになっています。
さらに知っておきたいことが3つあります。次の記事へどうぞ。