NW-06 TCP/IPについて知っておきたいこと

02-04 TCP/IPについて知っておきたいこと 賢くインターネットを使う

あなたは、神様に祈ったことがありますか。祈りが神様に届くには、正しい心で祈る必要があります。自分のお願いばかりを祈っても聞かれません。聖書によれば、イエス・キリストを通して祈らなければならないそうです。
祈ったことがなくても、郵便や宅配業者を使ったことはあるでしょう。

通信には決まりがある

コンピューター同士がやり取りするのも通信です。コンピューター同士がつながって通信できることをコンピューターネットワークといいます。

あなたも、誰かに荷物を送ったことがあるでしょう。荷物を送るには、どんな箱に入れるかとか、どういうふうに送り先住所を書くかが決まっています。郵便で荷物を送りたいなら、郵便局の決まりに従い、宅配業者で送りたいなら、その宅配業者の決まりに従います。そういう決まりを守ると、きちんと相手に届きます。宅配業者で送るとしても、それぞれの業者に、それぞれの決まりがあります。
コンピューター同士の通信にも決まりが必要です。通信の決まりのことを通信プロトコルといいます。いろいろな通信プロトコルが開発されましたが、世界中で広く使われるようになったのはTCP/IPという通信プロトコルです。
このTCP/IPで世界中のコンピューターが通信しているコンピューターネットワークがインターネットです。

もちろん、あなたが今使っているコンピューターもTCP/IPで通信しています。家や王国会館でもTCP/IPが使われています。
ですから、TCP/IPの基礎的なことを知っておけば、家族や兄弟姉妹や聖書レッスンしている人を助けられます。さらに、TCP/IPを使ったコンピューターネットワークが扱えると、エホバの組織で働ける道が広がったり、仕事場で頼りにされたりして、自分を成長させられます。

TCP/IPのまず知っておきたい2つのキーワード

TCP/IPは、いくつか関連する通信プロトコルもまとめて扱われています。そのうちの代表的な通信プロトコルがTCPとIPです。荷物を送るときのことで考えるなら、TCPは荷物を箱詰めする手順の決まり、IPは送り先をどうやって指定するかの決まりというイメージです。
TCP/IPには、まず知っておきたい2つのキーワードがあります。

キーワード1:パケット通信。

パケット通信は、データを細切れにして送る仕組みです。細切れにされたデータをパケットといいます。パケットにすれば、大きいデータをやり取りする時、そのデータだけが独り占めしないので、みんなが通信できます。
電話回線はどうでしょうか。かけるほうと受けるほうがずっと通信しているので、他の人は割り込めません。災害の安否確認など、たくさんの人が一度に使おうとすると、すぐにパンクします。

パケットには通し番号が付いているので、受け取り側でつなげて元のデータに戻せます。
もし、細切れにしないでデータを大きいままやり取りしようとすると、うまくいかなかった時に、もう1度初めからやり直しになります。データが細切れになっていれば、届かなかったパケットだけもう1度送ってもらえば済みます。

ワンポイント-パケットを気にしますか?

あなたは、携帯電話で、パケット料金とかパケ代を気にしたことがあるかもしれません。それは、TCP/IPのパケット通信のパケットのことです。どれだけのパケットがやり取りされるかが通信容量になります。
JW Broadcastingで動画を見ようとすると、大きいデータですから、細切れになったたくさんのパケットがやり取りされます。同じ時間、JW.ORGの文字の記事を読んでいても、それほどパケットはやり取りされません。
ですから、モバイルデータ通信の料金は、使った時間ではなく、どれくらいパケットをやり取りしたかで決まります。

キーワード2:IPアドレス。

IPアドレスは、コンピューターに付けられた番号のことです。このIPアドレスが送信元にも受信先にも付けられているので、どこのコンピューターとどこのコンピューターが通信するかがわかります。

今のIPアドレスの本当のところ

あなたは、自分の住所は覚えていますよね。日本では、まず都道府県を書き、次に市区町村を書き、それから番地や建物の名前などを書く決まりになっています。自分の住所はいろいろな時に使います。
今使われているIPアドレスはどんな決まりになっていますか。

IPv4をよく使う。

IPにはIPv4というバージョン4とIPv6というバージョン6があります。IPv6のほうが便利ですが、世界中のコンピューターネットワークを対応させるには機器を新しくしなければならないので、まだ当分先のことになります。おそらく、ハルマゲドンまでに世界中のコンピューターネットワークすべてがIPv6になることはないと思われます。
それでも、日本ではかなりIPv6の設備がすでに使えるらしく、プロバイダーがオプションとして使わせてくれることがあります。これは、IPv4で作られた道路と、IPv6で作られた新しい道路があるようなイメージです。IPv6のオプションを申し込むと、ある区間IPv6の道路を使わせてもらえるので、IPv4だけを使っているよりも少し通信速度が改善するようです。

わたしたちが家や王国会館でまず使うのはIPv4なので、これ以降はIPv4の決まりを説明します。

IPアドレスの書き方。

IPv4のIPアドレスは、4バイトの数値です。1バイトは、0から255までの数値を扱えます。4バイトですから、0から255までの数値を間にピリオド[.]をはさんで4つ並べて書きます。IPアドレスのピリオド[.]は小数点ではありません。
IPアドレスは、0.0.0.0から始まり、次は、0.0.0.1となり、最後のほうは、255.255.255.254で、最後は、255.255.255.255です。0と255には特別な意味を持たせて使うことがあります。

IPアドレスは、
xxx.xxx.xxx.xxx
のように書き、xxxには0から255までの数値が入るということだけは覚えましょう。

実はもう足りない!!

IPv4が決まった時は、平等に世界中のコンピューターにIPアドレスを割り当てようという考えでした。その考えで行くと、およそ43億台のコンピューターにIPアドレスを割り当てられます。あなたは、43億台のコンピューターを多いと思いますか、少ないと思いますか。
実は、インターネットにつながるコンピューターはもう43億台を超えてしまっています。コンピューターといっても、PCやスマートフォンやタブレットだけではありません。サーバーという大きいコンピューターもあれば、テレビやゲーム機に組み込まれたコンピューターもあります。それ全部にインターネットのためにIPアドレスを付けるとしたら、43億ではとても足りません。

グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス。

IPアドレスを付けたいコンピューターが43億台を超えたので、IPアドレスの決まりを変えました。
まず、コンピューターを、いつでも世界中とつながっていなければならないコンピューターと、そういう必要はないコンピューターに分けることにしました。例えば、JW.ORGのWebサイトを公開しているコンピューターは、いつでも世界中とつながっていなければなりませんが、家や王国会館のPCは、いつでも世界中とつながっている必要はありません。
いつでも世界中とつながっているコンピューターには、グローバルIPアドレスを割り当てます。グローバルIPアドレスは、世界中で同じ番号は使えません。

いつでも世界中とつながっている必要はないコンピューターにはプライベートIPアドレスを割り当てます。ざっくりいうと、プライベートIPアドレスは、建物の中のような小さなまとまりでだけ使えるものです。
例えば、あなたが家の中でコンピューターを使っているとします。家の中には、テレビや家族の誰かのコンピューターがあることでしょう。それらには、プライベートIPアドレスが付けられています。
隣の家にもコンピューターがありますか。それにもプライベートIPアドレスが付けられています。あなたの家の中では、同じIPアドレスはありませんが、隣の家にはあなたのコンピューターと同じIPアドレスが使われているかもしれません。
プライベートIPアドレスでは、どこの家のコンピューターかわかりませんから、世界中とはつながれません。家の中のプライベートIPアドレスが割り当てられているコンピューターが世界のどこかのコンピューターとやり取りしたい時は、家ごとに代表のグローバルIPアドレスを使ってやり取りします。

まとめ

コンピューター同士が通信できるのは、共通の決まりがあるからです。通信の共通の決まりを通信プロトコルといいます。
いろいろな通信プロトコルが開発されましたが、世界中で広く使われているのは、TCP/IPです。TCP/IPは、TCPとIPが代表的ですが、関連するほかの決まりも含まれています。
TCP/IPでは、データを細切れにします。細切れにしたものをパケットといいます。パケットにして送るので、誰かが独り占めしないで済みます。
TCP/IPでは、コンピューターにIPアドレスを付けます。IPアドレスは、xxx.xxx.xxx.xxxと書き、xxxは0から255までの数値です。
世界中にいつも公開されているコンピューターには、グローバルIPアドレスが付けられています。各家にはグローバルIPアドレスが1つ割り当てられていますが、家の中のコンピューターにはプライベートIPアドレスが付けられています。

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