前の記事では、長く使い続けられるPCを考えました。ものの値段が全体に上がっている2025年5月に手に入れられる部品で、少し先のことも考えて選びました。
でも、PCを選ぶ時、もっと大切なのは形です。
拡張性はあなたが使いやすくなるカギ
プリンターやスキャナーなどのPCとつないで使う機器のことを周辺機器といいます。キーボードやマウスも周辺機器です。
PCは、周辺機器をつないでいくことで、できることが増えます。どれほど周辺機器がつながって、できることが増やせるかを拡張性といいます。たくさんの周辺機器をつなげられるなら、拡張性が高いということです。
拡張することで、ますますあなたにとって使いやすいものになっていきます。
ノート?デスクトップ?それとも一体型?PCの形で選ぶ
Windows11の入ったPCには、大きく分けて3種類の形があります。
- ノートPC。
ノートPCのようにも使えて、キーボードを取り外したり後ろに折り返したりしてタブレットのように使える2in1(ツーインワン)型もあります。 - デスクトップPC。
机の上や机の下に置き、ディスプレイにつないで使います。 - 一体型。
ディスプレイにPCの機械部分が一体化しています。
あなたはどの形のPCが気になっていますか。それぞれの形で考えてみることがあります。
ノートPC。
あなたがノートPCに決めてしまう前に、「本当にノートPCじゃなくちゃいけないか?」ということを1度絶対に考えてほしいと思います。なぜ、そんなことを考えるのでしょうか。
Windows11の入ったノートPCには、いろいろ引っかかるところがあるからです。初めてWindows11の入ったPCを使おうとする人の多くは、ノートPCにしますが、後から考えるとデスクトップPCのほうが向いていた人もいるからです。
自分はあまりPCを使わないから、薄型で軽いノートPCにしようと考える人もいます。でも、よく考えてください。薄型で軽いノートPCが本当に必要なのは、いつも持ち歩いてたくさん使う人です。あまりPCを使わないなら、家に置いておくPCでもいいと思いませんか。薄型ノートPCは、拡張性も限られています。薄型ノートPCだけだとできることがかなり限られてしまいます。後になってやりたいことが増えても拡張性が限られていて、あきらめなければならなくなります。
薄型ノートPCは、他にもう1台PCを持っている人のものだと思ってください。
それで、自分は本当に、持ち運んでまでPCを使うかをじっくり考えてみてください。気がつくと、ノートPCをいつもの机の上で開けたまま使っているという人も多いはずです。
デスクトップPC。
デスクトップPCでは、次のものは別売りです。
- ディスプレイ。
- スピーカー。
- マイク。
- Webカメラ。
HDMIケーブルでテレビにつなぎ、ディスプレイの代わりにすることもできます。でも、コンピューター用のディスプレイとテレビでは映り方が違うので、色が少し違って見えたり、動画がぎこちなかったりするかもしれません。テレビは、近づいて見るようにはできていないからです。
デスクトップPCそのものからは、「ピッ」という音しか出ません。動画の音声などを聞くにはスピーカーを取り付けなければなりません。ディスプレイにスピーカーが付いている機種もあります。HDMIケーブルでテレビをディスプレイの代わりに使うなら、テレビからコンピューターの音も聞けます。
Webカメラにマイクが付いていることが多いですが、そんなに良い音ではありません。マイクから取り入れる音が悪いと、Zoomのようなリモート会議に参加している人たちは、だんだん気持ちが離れてしまいます。それで、リモート会議で長い話をするつもりなら、マイクを別に取り付けたほうがいいでしょう。
デスクトップPCは、CPUに内蔵のグラフィック機能を使うものと、内蔵のグラフィック機能とは別のグラフィックの部品を組み込んだものがあります。
ワンポイント-言葉をめぐる論争に巻き込まれてはいけない。
CPU内蔵のグラフィック機能とは別のグラフィックの部品を何と呼ぶかは、いろいろな考え方があります。ここでは、ビデオカードと呼びます。
ビデオカードが組み込まれたPCは、映像がカクカクしないで済みます。例えば、Zoomアプリで大勢の人を映そうとすると、CPU内蔵のグラフィック機能だとカクカクしますが、ビデオカードが組み込まれていればカクカクしません。また、カメラを使って配信する時も、ビデオカードが組み込まれたPCなら、カクカクしないで済みます。
その他、画像や動画といった生成AIを使いたいなら、ビデオカードが絶対に必要です。
一体型。
一体型PCは、ディスプレイにコンピューターの機械部分が付いています。ですから、持ち運びのできないノートPCだと考えるとわかりやすいかもしれません。
他にも考えておきたいこと
PCの形の他に考えておきたいことがあります。
中国のメーカーは気を付ける。
中国の国家情報法は、政府から要請されたら、誰でも、スパイ活動をしなければならない法律です。中国メーカーのコンピューターやアプリを使っていると、バックドアと呼ばれる秘密の仕掛けを使って、情報が中国政府に筒抜けになります。あなたが中国メーカーのコンピューターやアプリを使っているとすると、あなたの個人の情報だけでなく、あなたが連絡を取った他の人のことも知られてしまいます。そうすると、中国では禁止されている宗教信条を持つ人の居場所がもれて逮捕されたり国外追放されたりするでしょう。
中国の国家情報法でスパイ活動をするかもしれないのは、次の企業です。
- Lenovo(PCやタブレット)
- Huawei(スマートフォンや通信機器)
- Xiaomi(スマートフォンや通信機器)
- ByteDance(TikTokの運営会社)
台湾は、まだ中国共産党とは別の政府があるので、国家情報法の影響は小さいと考えられます。台湾が中国共産党に支配されるようになると、台湾メーカーも国家情報法に従うしかありません。
家電量販店の設定サービス。
PCを家電量販店で買うと、初期設定の有料サービスを強く勧められます。これが家電量販店の大きな利益になるので、何が何でも有料サービスを勧めてきます。
でも、家に持ち帰って、落ち着いて自分で設定すれば済むことばかりです。Windows10のPCはまだ2025年10月14日まで使えるので、だんだんとWindows11が入ったPCに引き継ぐこともできます。
ワンポイント-Windows10で使っているMicrosoftアカウントさえあればOK。
Microsoftアカウントとは、Windows10のPCの電源を入れた時に使う、メールアドレスとパスワードのことです。outlook.jpやhotmail.comなどのメールアドレスです。
あなたのMicrosoftアカウントをWindows11の入ったPCにも使うと、ドキュメントや設定がそのまま引き継がれます。
プリインストールされたウィルス対策アプリ。
日本では、自分でアプリを選んで組み込む人が少ないので、プリインストールアプリが便利だと考えられています。でも、本当はいらないアプリまでプリインストールされていて、コンピューターの値段に混ざっています。
本当はいらないのにプリインストールされているアプリの1つは、ウィルス対策アプリです。
コンピューターウィルスは今でも気を付けなければなりません。コンピューターウィルスはマルウェアの1つで、マルウェア全部に気を付ける必要があります。
それなのにプリインストールされたウィルス対策アプリがいらないのはなぜでしょうか。
実は、プリインストールされたウィルス対策アプリは数か月しか動きません。PCの値段には、ウィルス対策アプリの数か月分のお金しか混ざっていないからです。
数か月を過ぎたら、ウィルス対策アプリはお金が切れて動かなくなり、マルウェアが自由に入り込んで、悪い人たちに勝手に使われてしまいます。
Windows11には、優秀なマルウェア対策機能があります。でも、プリインストールされたウィルス対策アプリは邪魔をしています。
ですから、プリインストールされたウィルス対策アプリは消してしまいましょう。そして、Windows Updateでセキュリティのアップデートをきちんとしていけば、安心して使えます。
Windows11の次はある?
Windows11の次、Windows12のようなものはあるのでしょうか。
Windows10からWindows11になったことから考えると、Windows11の次はありそうです。でもそれが[Windows12]という名前になるかはわかりません。
その時も、Windows11のサポート終了が迫ってきて、Windows12?にアップグレードできるPCと、どうしてもWindows12?にアップグレードできないPCに分かれてしまうでしょう。
今きちんとしたPCにしておけば、Windows11のサポート終了を乗り越えられるはずです。