神様から見れば、すべての人は裸でさらけ出されていますから、何も隠し事をしない人は、晴れ晴れとした気持ちでいられます。だからといって、裸で出歩く人はいません。どうしてだと思いますか。
それは、隠すことと見せないようにすることは違うからです。
家族構成や健康状態などのあなた個人の情報は、わざと隠すつもりはないとしても、見せないようにしておく時があります。見せないようにしておくのはなぜか2つの理由を考えてみましょう。
それがわかるようになると、他の人の個人の情報も大切に扱えるようになるはずです。
あなたの持っている個人の情報
あなたの持っている個人の情報には、どんなものがありますか。次のものはほんの一部です。
- 名前
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- 銀行口座やクレジットカード情報
- 職業と勤務先
- メールアドレスとパスワード
- 家族構成と家族関係
- 宗教信条
- 関心事や趣味
自分には、情報なんて何もないと思った人も、たくさんの自分の情報があることに気づきましたか。
こういう個人の情報は、わざと隠さないとしても、見せないようにしておく時はあります。
個人の情報を見せないようにするのは、出歩く時に服をきちんと着て裸を見せないようにするのと同じように、あなた自身を守ることになります。
個人の情報を守る理由1:なりすましに遭わないため
あなた個人の情報を守る理由の1つは、なりすましに遭わなくするためです。
ワンポイント-悪魔サタンは、なりすましの名人。
なりすましとは、誰かのふりをして、悪いことを行なうことです。
なりすましは、インターネット時代の犯罪ではなく、6000年以上前から行なわれてきました。悪魔サタンは、光の使いになりすましていると聖書に書いてあります。 悪魔サタンは、ある時は“親切に”語りかける蛇、別の時には死者の声、というふうに、人類を導く存在になりすまして、人の心を神様から離れさせようとしています。
もしも、なりすましに遭うとどうなるか、いくつかイメージしてみましょう。
なりすまし1:銀行口座の持ち主。
あなたもどこかの銀行に口座を持っていることでしょう。郵便局も、ゆうちょ銀行という名前の銀行です。
昔は、銀行通帳とハンコを使って銀行でお金の出し入れをしていました。今は、キャッシュカードと暗証番号でお金を出し入れできます。
キャッシュカードと暗証番号の両方が盗まれると、銀行口座の持ち主になりすまされて、あなたの銀行のお金を自由に使われてしまいます。キャッシュカードだけを盗まれても、暗証番号が探り当てられてしまうなら、同じことになります。
でも、暗証番号をどうやって探り当てられてしまうのでしょうか。多くの人が、自分や家族の生年月日を暗証番号に使っています。誕生日を祝う習慣のないエホバの証人でも、生年月日はいろいろな時に記入します。
生年月日以外でも、バプテスマの日付や結婚記念日など、何気ない会話に出てくる数字を暗証番号に使ってしまっている人もいます。
なりすまし2:職業上の立場。

あなたはある職業上の立場を持っていて、長年かけて取引業者を見て回り、信頼できる業者を選んで、正しい価格で仕入れができるようにしてきたとします。
あなたの名刺や身分証が盗まれて、誰かがあなたになりすますと、その職業上の立場を勝手に使われます。
あなたが長年かけて作った信頼を壊して、今までの取引先を勝手に打ち切り、あなたの知らない信用のない業者から勝手な仕入れをするかもしれません。
あなただけでなく、長年の取引先も困ってしまいます。
なりすまし3:メールアドレスの持ち主。
あなたもすでにメール(E-mail:電子メール)を使っているでしょう。SNSよりも、かっちりとした連絡を取りたい時に使います。メールを送受信するには、メールアドレスを決めて、あなたがそのメールアドレスの持ち主だと証明するためにパスワードも決めます。
メールアドレスの持ち主だと証明するパスワードが誰かに盗まれると、メールアドレスの持ち主になりすまされます。そうなると、あなたへ送信されたメールは、誰かが勝手に読み、勝手に消されてしまいます。
また、あなたからの発信に見せかけて、あなたの知り合いに、間違ったメールが送信されます。
このように、なりすましに遭うと、あなたも大きな害がありますが、それだけでなく、周りの人たちにも、とても大きな害があります。
あなたが、個人の情報を見せないようにして、守っていれば、なりすましに遭わなくて済みます。
個人の情報を守る理由2:“攻撃”を受けにくくするため
あなた個人の情報を守る理由のもう1つは、“攻撃”を受けにくくするためです。
ワンポイント-信条や道徳心への“攻撃”もある。
今の日本では、よほど過激で極端な信条でなければ、個人の考えを強制することはないように見えます。でも、周りに合わせてほしいだとか、普通はこうだとか、柔らかい言葉で強制してきます。言葉にしなくても、態度や表情という、ゆっくりとした圧力もあります。また、感覚や感情を刺激する誘惑も、信条や道徳心への“攻撃”だと考えられます。
将来は、今は一部の国でしか行なわれていない宗教弾圧が世界的に当たり前のことになるでしょう。どこに住んでいても、宗教を持っているというだけで、迫害され、暴行され、逮捕や処刑が行なわれます。
個人の情報が見られてしまうと、それをもとに“攻撃”されることがあります。
“攻撃”の入り口1:あなたのSNSでの発信。
あなたがSNSで発信した情報は、あなたについて見せないようにしておくべき個人の情報を含んでいることがあります。例えば、よく食べているものやよく買い物している場所についての発信から、住んでいる地域がわかってきます。あなたがSNSへ発信する時間を見ていけば、あなたの生活スタイルもわかってしまいます。そうなると、「わたしは○○に住んでいて、何時ごろは留守にしている」と世界中に発信していることになります。
子供の顔写真や名前をそのまま発信してしまうと、犯罪に巻き込まれやすくなります。
ワンポイント-恐ろしいほどのSNSの「特定」能力。
スマートフォンやタブレットで撮影した写真データには、日時と場所(GPSによる緯度経度)が目に見えない形で記録されています。それで、あとで写真を整理するのが楽になります。
SNSでは、写真の日時や場所の情報は自動的に消されます。それでもSNSの写真は、影の角度や建物の様子などから、どこで撮影されたかを調べることができます。
そういう調査を得意にしている人たちもいます。SNSの発信から、実名や個人の情報をあばくことを「特定する」、「さらす」と言います。
時々、未成年者がいたずらのつもりで悪いことをした動画をSNSに発信します。日本の法律では、未成年は実名や住所がわからないように保護されるはずです。 ところが、SNS上では、あっという間に実名や家族構成や通っている学校など、個人の情報がさらされてしまいます。結局、その若者は裁判の判決以上の罰をいつまでも背負わなければなりません。
“攻撃”の入り口2:あなたのインターネットで見たこと。
あなたがインターネットで見たWebサイトや、検索した言葉は、順番に覚えられています。その情報に基づいて、広告が変わります。
例えば、あなたが、犬や猫の動画をよく見ていると、犬や猫に関係のある商品の広告が表示されます。でも、ある時、インターネットで洋服について調べたとすると、それからはファッションの広告が多くなります。
これは、あなたのインターネット上の行動が誰かに見られていて、広告であなたを誘導しようとしているからです。
インターネット上の広告は、テレビの広告よりも信頼性が低く、悪のものがあり、誘われるままに進むと、財産が奪われることがあります。財産は奪われなくても、道徳心が“攻撃”されることもあります。
“攻撃”の入り口3:年齢や健康状態。
あなたの年齢が見られてしまうと、それをもとにした広告が送られてきます。例えば、子供のころは学習教材や学習塾、成人が近づくと着物やスーツ、それを少し過ぎると婚活、というふうです。これは、誰かがあなたの生年月日を見て、先回りしてあなたの関心の持ちそうなことを決めつけているからです。生年月日だけであなたの信条や道徳心を決めてかかろうとしています。
健康状態が見られてしまうと、薬品やサプリ、専門病院などを勧められるようになります。役立つこともありますが、かえって心配を増やしたり、症状を悪くしてしまったりします。
身体の調子が悪い時は、考えがうまくまとめられません。そういう弱い時に、信頼できないようなことをたくさん勧められるのは“攻撃”されるのと同じです。
年齢や健康状態は、よく会話に出てくることで、わざわざ隠さないものです。でも、見えないようにしておくべき時があります。年齢や健康状態が見えなければ、決めつけられたり、信頼できないことをたくさん勧められたりしないで済みます。
まとめ
何も隠し事のない人でも、見えないようにしておく個人の情報がいろいろあります。
個人の情報が誰からも見えるようにしておくと、なりすましに遭ったり、信条や道徳心を“攻撃”されたりします。あなたの個人の情報は大切にしなければなりません。
では、他の人の個人の情報は、どうすれば大切にできますか。