テレビで、「詳しくはWebで」という言葉を聞いたことがありますか。これは、「テレビでは説明しきれないので、詳しくはインターネットを見てください」という意味です。
インターネットのことをWebと呼ぶのはなぜですか。
広い意味のインターネットと狭い意味のインターネット
広い意味のインターネットは、世界中のコンピューターが共通の決まりで通信していることです。共通の決まりはTCP/IPです。あなたのコンピューターも、ルーターを通して世界中のコンピューターとつながれます。
世界中のコンピューターがつながっていると、いろいろなことができます。メールのやり取り、SNSで自分の考えを世界中に発信すること、世界中の人とチェスやゲームで対戦することなどなど、世界中のコンピューターがつながってできることはいろいろあります。
インターネットでいろいろできますが、多くの人がインターネットという言葉でイメージするのは、インターネット上の記事を見ることです。
あなたの一番多い使い方も、ニュースなどの記事を読むことかもしれません。あなたがエホバの証人なら、一番多く見ているのは、JW.ORGの記事のはずです。JW.ORGの記事は、JW.ORGという名前で公開されているコンピューターに入っています。その中には聖書そのものや聖書についての記事や画像や動画が入っています。あなたがJW.ORGで記事や画像や動画を見られるのは、あなたのコンピューターがJW.ORGにつながるからです。
今あなたが読んでいるこの記事は、ms-ssd.jpという名前のコンピューターに入っています。あなたのコンピューターは、今ms-ssd.jpにつながっているのでこの記事が読めます。
このように、狭い意味のインターネットは、公開されている記事や画像や動画を見ることです。
狭い意味のインターネットは、広い意味のインターネットでできるいろいろなことの1つの種類の使い方です。
テレビだと文字をじっくり読めません。文字を読む速さは人それぞれですし、病院の待合室や食堂などで画面が遠くて文字が見えにくいこともあるからです。
インターネットの記事は、じっくり読めます。読み返すこともできます。それで、テレビでは説明しきれないことをインターネット上の記事にして、それを読んでもらおうとしています。
リンク
インターネット上の記事は、印刷された本よりも便利です。
印刷された本はページをめくっていって順番通りに読むしかありません。途中で別の本に書いてあることを見たいときは、その本を運んできて別に開かなければなりません。
インターネット上の記事は、簡単に別の記事を開けます。この記事を読んでいる人なら、もう、深く考えなくてもこの仕組みはわかっているでしょう。
インターネット上の記事から別の記事が開ける仕組みをハイパーリンクとかリンクといいます。
JW.ORGの聖書についての記事は、リンクの仕組みでとても便利になっています。JW.ORGの記事は、聖書の言葉がもとになっています。それで記事のあちこちで聖書のどこにもととなる言葉があるかが書いてあります。リンクで聖書そのものとつながっているので、聖書の言葉を簡単に見ることができます。
ワンポイント-その言葉が聖書のどこにあるか、どうやってわかる?
聖書は、創世記から啓示までの66冊の本から成り立っています。そして、それぞれの本は章で分けられています。世界共通の章の分け方ができたのは13世紀ごろです。さらに、章を細かく節に分けたのは、16世紀のことです。
聖書は分厚い本ですが、今役立てたい言葉がどこに書かれているかは、66冊の中の本の名前と、その本の中の何章何節かで簡単にわかります。例えば、[マタイ7:12]は、聖書の中の「マタイによる福音書」という本の7章12節のことです。
例外として、聖書の中の「詩編」は、150の詩をまとめたものなので、章ではなく編になります。例えば、[詩編127:3]なら、詩編127編3節のことです。
もうわかっていると思いますが、リンクは、スマートフォンやタブレットなら指でタップするか、PCならマウスで左クリックしてリンクを使うと、リンク先へ飛べます。
Web
Web(ウェブ)は、もともとクモの巣のことです。クモは糸をあちこちに張り巡らして自由に動き回ります。その様子がリンクを使ってあちこちの記事を見られるインターネットに似ていたので、インターネットの記事を読む仕組みをWWW(World Wide Web)とかWebといいます。
ワンポイント-リンクで世界中を飛び回る?
指でタップするかマウスでクリックして、リンクを開くと、あなたのコンピューターは今までつながっていたところとは違うところにつながります。
例えば、日本のニュースを見ようとして、あなたのコンピューターが東京のコンピューターにつながっていたとします。リンクで海外のニュースを開くと、あなたのコンピューターは、海外のコンピューターにつながります。あなた自身は動いていませんが、あなたのコンピューターは、リンクをたどって世界中とつながれます。
あなたが、Webがつく言葉で聞いたことのあるものを2つ説明します。
Webページ
Webページは、インターネットの記事そのもののことです。あなたが今読んでいる記事はWebページの1つです。
JW.ORGにはたくさんの記事があります。それは、「JW.ORGには、たくさんのWebページがある」といいます。
Webサイト
Webサイトは、Webページのまとまりです。あなたが今読んでいるのは、[MilkSoftナレッジ]というWebサイトの記事です。[MilkSoftナレッジ]にはまだ25ぐらいのWebページしかありません。
JW.ORGは、エホバの証人の公式Webサイトです。JW.ORGは、聖書の言葉をもとにしたたくさんのWebページから成り立っています。
日本人は「ホームページ」を間違って使っている?
日本ではWebページやWebサイトという言葉よりも、ホームページという言葉がよく使われます。もしかするとあなたもWebページよりもホームページのほうが聞いたことがあったかもしれません。
多くの日本人は、インターネットの記事をなんとなくホームページだと考えているようです。あなたもJW.ORGを他の人にも見てほしくて「エホバの証人の公式ホームページには聖書の言葉をもとにしたたくさんの記事があります」と紹介したことがありますか。
本当の意味では正しくありません。ホームページの本当の意味は、[ホーム]というリンクで開いたWebページです。Webサイトの表紙で、総合案内所のようなものです。
JW.ORGを見ると、左上のほうに[ホーム]というリンクがあります。この[ホーム]リンクは、JW.ORGというWebサイトの表紙になります。JW.ORGのホームページは、聖書の言葉の説明はほとんどなく、それぞれのカテゴリーのリンクがあるだけです。そのリンクを開くと、聖書の言葉をもとにした役立つ記事がたくさんあります。
ホームページという言葉の本当の意味がわかったので、これからは「エホバの証人の公式Webサイトには聖書の言葉をもとにしたたくさんの記事があります」と正しい気持ちで紹介できます。
「詳しくはWebで」は不親切?
テレビの「詳しくはWebで」という言葉は、「テレビでは説明しきれないので、詳しくはWebサイトを見てください」という意味です。
確かにテレビだけでは説明しにくいこともあるでしょう。でも、「詳しくはWebで」というのは少し不親切です。なぜでしょうか。
テレビを見ている人が、すぐにインターネットを使えるとは限らないからです。スマートフォンを持っていない人やインターネットの使い方がよくわからない人もいます。
ちょうどそれは、テレビドラマの最終回が映画館でしか上映されないようなものです。昔そういうことをしてしまったドラマが不公平だと強く批判されました。
同じように、「詳しくはWebで」という言葉を使いすぎるのは、不親切で不公平だと批判されてしまうかもしれません。