Windows11にアップグレードできるのに、Windows10のまま使い続ける人がいます。Windows11にアップグレードできることを知らないのでしょうか。それとも面倒くさいだけなのでしょうか。
もっと大きな理由があって、困っている人たちもいます。どうすればいいのでしょうか。
Windows11にアップグレードできない理由
Windows11にアップグレードできるWindows10が入ったPCでも、Windows11にはアップグレードしたくないと思っている人もいます。なぜ、アップグレードしたくないのでしょうか。
大きな理由は、互換性を気にしているからです。
ワンポイント-互換性とは?
ざっくりいうと、同じ場面で同じ反応をするのが、互換性(ごかんせい)です。
双子をイメージしてください。それぞれに、ゴキブリのおもちゃを見せたとします。片方の子は、嫌な顔をした後、左手で払いのける動きをします。もう一人の子も、嫌な顔をした後、左手で払いのける動きをしたら、この双子の感じ方や反応はそっくりで、互換性があります。その双子の別の家族は、同じおもちゃを見せても別の反応をするかもしれません。双子とは感じ方や反応が違っていて、双子との互換性がないからです。
コンピューターも、ある機器と別の機器で、同じ動きをすることを「互換性がある」といいます。互換性がある機器なら、交換しても同じように使えます。機器だけでなく、アプリもそうです。図形を表示するアプリなら、それぞれのアプリで、同じ大きさで同じ色で表示できれば互換性があります。
Windows10とWindows11は、だいたいの互換性があります。見た目と操作方法はほとんどそっくりなので、Windows10からWindows11にアップグレードしたら使い方がわからなくなるという心配はありません。
でも、全部が同じではありません。全部が同じなら、Windows11を作った意味がないからです。Windows11は、セキュリティが強くなりました。これは、立ち入り禁止のところができたり、身分証明書を見せないと通してもらえない道が増えたり、開けっ放しだったところに鍵がかかったりするようなものです。安心のためなら仕方ないことかもしれません。
Windows10ではPCとつながって使えていたのに、Windows11にアップグレードしたらつながらなくなる機器があります。さらに、Windows10の時は使えたのにWindows11にアップグレードしたら動かなくなるアプリもあります。これは、新しいセキュリティの考えに合わないことと、Windows10とWindows11では中の仕組みが少し違うからです。
PCそのものがWindows11にアップグレードできても、つなげている機器が使えなくなるとしたら、アップグレードの意味がありません。
特に、工場や病院などで使われている機器は、Windows11にアップグレードしたらつながらなくなって動かなくなったとしたらとても困ります。工場や病院の機器は特別なものなので、なかなか新しいものに取り換えられません。
このように、互換性が気になると、Windows11にアップグレードできないでしょう。
JW LibraryやZoomなどの大勢の人が使っているアプリなら、すぐにWindows11でも動くようにアップデートされます。
Windows10を使い続ける方法
仕組みそのものが古くてWindows11にアップグレードできないPCもあります。
2025年10月14日を過ぎても、Windows10を使い続ける方法はないのでしょうか。
日本には、2025年10月14日を過ぎてWindows10を使い続けてはいけないというはっきりとした法律はありません。
聖書には、突き癖のあるのがわかっていた牛で死亡事故が起きたなら、飼い主が死刑になる、と書いてありますが、突き癖のある牛は事故を起こす前に殺処分するようにとは書いてありません。突き癖のあるのがわかった牛をきちんと安全に管理していれば、誰も命を落とさないで済みました。
2025年10月14日を過ぎたWindows10の入ったPCはどうでしょうか。Windows10の入ったPCを使い続けても、それだけで法律に背くことにはなりません。
2025年10月14日を過ぎたらWindows10の入ったPCは、突き癖のあるのがわかっている牛のようなものです。もし、あなたがきちんと管理しないで使い続けると、あなたが困るだけでなく、周りの人たちや、あなたの知らない人たちにまで迷惑をかけます。あなたは全部責任が取れますか。
でも、きちんと安全に管理すれば、Windows10の入ったPCを使い続けられます。どうすればきちんと安全に管理していることになりますか。3つのことを考えましょう。
インターネットにつながない。
インターネットにつながないというのは、JW.ORGなどのWebサイトを見ないだけではありません。
今のコンピューターは、ケーブルがつながっていれば勝手にインターネットにつながってしまいます。それで、LANケーブルをつながないでください。
Wi-Fiも同じです。家や王国会館でWi-Fiにつないだことがあるなら、機内モードにしてWi-Fiを使えなくしてください。
ワンポイント-機内モードって何?
飛行機は、離陸と着陸の時は、電波の邪魔があると危険です。それで、コンピューターには機内モードという邪魔な電波が出ないモードがあります。
このモードにすれば、Wi-Fiにつながらないので、インターネットにもつながりません。
USBメモリでデータを取り出さない。
他のコンピューターからUSBメモリでデータをWindows10の入ったPCに持ち込むことはできますが、Windows10の入ったPCから、他のコンピューターにデータを渡してはいけません。
信頼のある有料サポートを受ける。
もしかすると、2025年10月14日の後、Windows10の入ったPCをサポートしてくれるサービスが見つかるかもしれません。でも、これまでと違い、有料サポートになるでしょう。
また、有料サポートをしてくれると見せかけて、お金だけを取ってセキュリティのアップデートをしてくれない悪い業者がたくさん出てくるでしょう。本当にセキュリティのアップデートを作ってくれて安心してWindows10の入ったPCを使い続けられるようにしてくれる業者もあるかもしれませんが、結局のところ、新しいコンピューターを買ったほうが良かったと思う日が来るでしょう。
まとめ
工場や病院の機器とアプリは、Windows10だと使えても、Windows11だと使えなくなるものがあります。JW Libraryなどのみんなが使っているアプリなら、すぐに使えるようになりますが、工場や病院の機器やアプリなどは特別なので、なかなか使えるようになりません。
日本には、2025年10月14日を過ぎてWindows10を使い続けてはいけないというはっきりとした法律はありません。
でも、2025年10月14日を過ぎてからWindows10の入ったPCをそのまま使い続けると、あなたが困るだけでなく、周りの人たちや、あなたの知らない人たちにまで迷惑をかけます。あなたは全部責任が取れますか。
かなり限られた使い方になりますが、LANケーブルを外して機内モードにして、インターネットにつながらなくすれば、Windows10の入ったPCを使い続けられます。
気をつけたいのは、延長サポートの詐欺です。有料サポートをしてくれると見せかけて、お金だけを取ってサポートしてくれない悪い業者がたくさん出てくるでしょう。本当にサポートしてくれる業者も見つかるでしょうが、お金を計算すると、新しいコンピューターを買ったほうが良かったと思うかもしれません。
ワンポイント-Linuxを入れれば問題解決?
Linux(リナックスまたはライナックス)は、Windows10やWindows11とは別のOSです。
仕組みそのものが古くてWindows11にアップグレードできないPCに、Linuxを入れるように勧める人たちがいます。
Linuxに慣れておけば、コンピューターの本当の技術者として仕事ができます。
でも、Linuxは、Windowsと互換性がありませんから、使えなくなる機器やアプリも多くなってしまうでしょう。気軽にコンピューターを使いたい人にはLinuxは向いていません。