02 コンピューターのしている3つのこと(2/2)

02 コンピューターのしている3つのこと ずっと走り続けるために

コンピューターチップのしていることは、入力計算処理出力の3つです。これは皆さんが家族のために毎日している食事の用意に似ています。

コンピューターのしていること意味イメージ
入力(Input)コンピューターチップが周りの部品から電気信号を受け取ること。材料を手に入れ
計算処理受け取った電気信号に付け加えたり別の電気信号に置き換えたりすること。調理して
出力(Output)コンピューターチップからほかの部品に電気信号を送ること。食卓へ。
表:コンピューターチップのしていることを表す3つの言葉

でも、そのことがわかったとして自分と何か関係があるのでしょうか。

あなたの身の回りのコンピューターも説明できる?

あなたの身の回りにあるPCやスマートフォンやタブレットも、入力と計算処理と出力という3つのことをしています。

あなたの身の回りにあるコンピューターのしている入力

あなたが何気なく使っているスマートフォンやタブレットは、画面を指で触って操作しているはずです。画面を指で触って動かせるのは、画面に、どこをどう触ったかを調べるセンサーが張り巡らされていて、そのセンサーからの電気信号がコンピューターチップに入力されるからです。
PCにも、スマートフォンやタブレットのように画面を指で触って動かせる機種もありますが、もともとPCは、キーボードとマウスを使って操作します。このキーボードとマウスからの電気信号がコンピューターチップに入力されます。
そのほか、カメラからの映像やマイクからの音声も、電気信号としてコンピューターチップに入力されます。

あなたの身の回りにあるコンピューターのしている計算処理

あなたが指やマウスを使って再生ボタンを押したとします。すぐに、画面のセンサーから、コンピューターチップに再生ボタンが押されたという電気信号が入力されます。そうしたら、計算処理されて、動画再生が始まります。計算処理の詳しいことは、コンピューターの中の事情なので、ここでは説明しません。ただ、今のコンピューターはとてもたくさんの量のいろいろな種類の電気信号を取り扱っているので、いつでも忙しく計算処理しています。

あなたの身の回りにあるコンピューターのしている出力

画面に文字や絵が表示されるのは、コンピューターチップから画面に電気信号が出力されているからです。音が出るのも、電気信号がスピーカーに出力されるからです。紙に文字や絵を印刷するためにはプリンターという機器を使いますが、何をどう印刷するかは、コンピューターチップからプリンターに出力される電気信号によって決まります。

ここで、あなたの身の回りにあるコンピューターには、どんな入力と出力があるか、ざっくり表にまとめます。

入力出力
画面を指で触る画面の表示
キーボードやマウス
GPSによる位置情報プリンター
コンピューターの傾きセンサーコンピューター内部の冷却装置
インターネットインターネット
表:あなたの身の回りにあるコンピューターの入力と出力

ごみを入れると、ごみが出てくる??

冷蔵庫などの家電製品だろうと身の回りにあるコンピューターだろうと、組み込まれているコンピューターチップのしていることは、入力と計算処理と出力の3つだということがわかりました。

これがわかると、コンピューターを正しく扱うための最初の1歩を踏み出したことになります。

70年近く語られてきたコンピューターに関連する格言があります。それは、「ごみを入力すると、ごみが出力される」というものです。正しい電気信号が入力されないと、計算処理がめちゃくちゃになり、正しい電気信号を出力できないという意味です。コンピューターのしている3つのことがわかった今のあなたなら、このことわざが何となくでも理解できることでしょう。

時々スマートフォンやタブレットが思った通りに動いてくれないと感じることがあります。ここで「ごみを入力すると、ごみが出力される」を思い出してください。スマートフォンやタブレットが思い通りに動かない原因でとても良くあるのは、指で触ったことが正しく入力されていないことです。指が乾いていてセンサーが読み取れなかったのかもしれませんし、指で触る場所が間違っているのかもしれません。これでは、「ごみ」を入力していることになります。ですから、あなたが思った通りには動作しないという「ごみ」が出力されているというわけです。

コンピューターチップは電気がある限り、文句も言わずに働き続けます。それでも、苦手なものがあります。その1つは、熱です。温度が高いと電気信号が乱れてしまい、入力も出力も間違って伝わってしまいます。
コンピューターチップ自身も、たくさん計算処理すると自分で発熱してしまいます。それで、一定まで発熱すると、計算処理を少しにして熱がおさまるようにします。熱がおさまるまでの間は計算処理を少なくしているので、入力を受け付けてもゆっくりしか出力できなくなります。この時、あなたはコンピューターの動きがもたついているように感じるでしょう。こういうコンピューターの動きがもたついている時に、あなたがさらにいろいろさせようとすると、ますます計算処理が増えてしまいます。そうなると、熱がおさまるどころか、もっと発熱してしまいます。コンピューターは発熱を抑えようとして、どんどん計算処理を後回しにしていくので、もたつくというより、止まってしまったように見えてしまいます。
あなたが手でコンピューターを触って熱く感じたら、それ以上コンピューターにいろいろさせないで、自然と温度が下がるのを待ってください。

コンピューターを思い通りに動かす最初の一歩は、コンピューターに正しい入力をして、正しい計算処理をさせることです。そうすれば、コンピューターはあなたの思い通りの動きという正しい出力をするでしょう。

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