NW-27 どう違う?メールの宛先(To)とCCとBCC

NW-27 どう違う?メールの宛先(To)とCCとBCC 賢くインターネットを使う

郵便は、送り先の住所がわかれば送れます。メールも、相手のメールアドレスがわかれば送信できます。
でも、メールは郵便と違うところもあります。

メールは郵便とどう違う?

図01を見てください。メールは郵便と違って、送信先として複数のメールアドレスを書くと、1回の送信でそれぞれに同じものを送信できます。

図01

図01 メールは郵便と違って1度に複数の送信先に送信できます。

郵便は、1つの宛先にしか送れませんが、メールは、複数の送信先に同じものを送れます。この図では1回の送信で3人に送っていますが、もっと多くの送信先にも送れます。

メールには、送信先を書くところが次のように3つあります。この3つにはそれぞれ役割と意味があります。

  • 宛先(To)
  • CC
  • BCC

宛先(To)とCCとBCCのそれぞれの役割と意味

宛先(To)とCCとBCCには、それぞれの役割と意味があります。これは、複数の送信先に同じものが送信できるのとは違う仕組みです。

ワンポイント-送信先と宛先。

メールの仕組みでは、メールの送り先として、ToとCCとBCCの3つ書くところがあります。この3つのどれに送り先のメールアドレスを書いても、ちゃんと送信されます。
それで、この記事では、ToとCCとBCCの3つをまとめて扱いたい時は、送信先と書きます。
Toのことだけを扱う時は、宛先と書きます。Toのことを[宛先]と書いてあるアプリやWebページがあるからです。

宛先(To)とCCとBCCのそれぞれの役割と意味について考えましょう。

宛先(To)

宛先(To)には、一番の送信先のメールアドレスを書きます。もちろん、宛先に複数のメールアドレスを書くと、同じメールがそれぞれのメールアドレスに送信されます。

CC

CCは、カーボンコピーのことです。

ワンポイント-カーボンコピーって何?

手書きやタイプライターの文書がよく使われていたころはカーボン紙で写しを作っていました。カーボン紙を下敷きのように紙と紙の間に挟んで、上の紙にペンで書くと、カーボン紙の下の紙にそのまま写しが作れる仕組みです。カーボン紙で写したものは、手書きの文書がなくなってしまった時の控えです。コピー機で写したものもそうです。
コピー機は写したものが印刷されて出てくるので、コピーという言葉を印刷することだと考えてしまう人がいます。でも、コンピューターの話では、印刷のことはプリントアウトといいます。
コンピューターの話でのコピーは、コンピューターの中で同じものを複製するという意味です。コンピューターで画像や文章をコピーすると、画像や文章がコンピューターの中で複製されます。印刷はしません。

CCは、1番の送信先ではないけれど、いちおう写しを送っておきたい送信先を書きます。

図02のように、あなたが仕事の取引先とメールでやり取りしているところをイメージしてください。取引先は1番の送信先ですから、取引先のメールアドレスを宛先(To)に書きます。取引内容をチーム内で共有したいなら、CCにチームメンバーのメールアドレスを書きます。チームメンバーは1番の送信先ではありませんが、メールの写しを見て、取引内容を共有できます。

図02

図02 取引先は宛先(To)に、チームメンバーはCCで共有します。

BCC

BCCは、カーボンコピーに似ていますが、メールアドレスを見えなくしておけます。
図03を見てください。宛先(To)やCCに書いたメールアドレスは、メールを受信した人に全部見えています。BCCに書いたメールアドレスは、受信した他の人からは見えません。

図03

図03 宛先(To)やCCに書いたメールアドレスは、受信した人に見えます。でも、BCCに書いたメールアドレスは見えません。

メールアドレスが見えるとメールでやり取りできるようになります。まだそれほど親しくないのでメールのやり取りはしたくないと思っている人もいるかもしれません。それで、メールアドレスを誰に教えて誰には教えないことにするかを決めるのは、メールアドレスの持ち主です。詳しくは、[他の人の個人の情報を守る]という記事があります。

あなたの知り合いと家族ぐるみでバーベキューをしたいと思っているところをイメージしてください。知り合いにバーベキューの日付をメールするとします。そのメールをあなたの家族にも共有したい時、どうしますか。
もし、CCに家族のメールアドレスを書くと、知り合いにも、あなたの家族のメールアドレスが見えてしまいます。そうすると、知り合いは、あなたの家族とメールのやり取りができるようになってしまいます。もしかすると、あなたの家族は、その知り合いとはまだ親しくないのでメールのやり取りはしたくないと思っているかもしれません。
家族のメールアドレスをCCではなく、BCCに書けば、メールアドレスが見えないで済みます。

BCCは、一斉送信する時にも便利です。例えば、エホバの証人の野外奉仕グループや学校のPTAなどは、毎月のお知らせをメンバー全員に一斉送信したい時があります。メンバーには、まだ他のメンバーとメールでやり取りしたくないと思っている人がいるかもしれません。
メンバー全員のメールアドレスを宛先(To)やCCではなく、BCCに書くと、他のメンバーのメールアドレスが見えなくて済みます。このような送信方法を使うと、メンバー1人1人の個人の情報を大切に扱っていることになります。

宛先(To)とCCとBCCは使い分ける

メールには、送信先を書くところが、宛先(To)とCCとBCCの3つあります。それぞれ役割と意味が違うので、使い分けるのが良いでしょう。

友達や知り合いとの交友なら、気軽に宛先(To)を使うことができます。

ビジネスの現場では、宛先(To)とCCとBCCの違いをきちんと考えないと、ビジネスマナーが悪い人として扱われてしまいます。

例えば、役員全員に報告したいメールがあるとします。誰か1人の役員だけを宛先(To)に書いて、他の役員をCCに書くと、CCに書かれた役員は“軽く見られた”と思うかもしれません。
また、何でもかんでもCCで共有するのは“うっとうしい”と思われるかもしれません。取引が重要なところになるまでは仲間や上司には要点だけを共有するような、考える力を使う練習が必要です。

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