前の記事で考えたように、コンピューターはソフトウェアがないと何もできません。
スマートフォンの画面を指で触って操作できるのは、OSという土台のようなソフトウェアが動いているからです。アプリもソフトウェアです。JW Libraryというアプリがなかったら、画面に聖書の言葉を気軽に表示させることはできません。ソフトウェアがあるからコンピューターが動きます。
さて、ソフトウェアを使う時に何か注意することはありますか。ソフトウェアがないと何もできないので、ソフトウェアを使う時に注意することは、コンピューターを持っている人全員が注意しなければいけないことです。
ここでは3つの注意することを考えます。
注意1:そのソフトウェアはなぜ無料なのかを考える

ソフトウェアを作り上げるのは、糸から布を織り、その布で服を作るようなものです。1つのソフトウェアを大勢の人がチームになって作り上げています。
みんなの役に立つソフトウェアを作るには、それなりにお金がかかることを覚えておきましょう。
ワンポイント-見えないことにもお金がかかっている。
動画や音楽、インターネットや出版物の記事や写真などは、すべて誰かがお金や時間をかけて作り上げたものです。コンピューターのソフトウェアも動画や音楽と同じです。完成させるまでに多くのお金や時間がかかっています。
日本人は、そういう見えないところで働く人たちに代金を払う習慣があまりありません。
見えない働きには、サービスと呼ばれるものがあります。レストランの給仕やホテルのベッドメイキングなどが一例です。海外では、そういうサービスに直接お金を払います。
あなたは、サービスというとどういうイメージですか。日本では、サービスというと、お金のかからないおまけというイメージがあります。しかし、サービス(Service)とは、奉仕や勤務という意味があり、報酬を得るものも含まれます。民数記18 章31 節には「奉仕に対して与えられる報酬」とあり、レビ族の神聖なサービス(Service)にも報酬が規定されていたことがわかります。
動画や音楽、インターネットや出版物の記事や写真、コンピューターのソフトウェア、それからいろいろなサービスには、誰かがお金や時間をかけているので、代金を求められるかもしれません。
ソフトウェアを作る人たちは、自分たちが使ってきたお金を取り戻したいという気持ちを持っています。取り戻したいだけでなく、大儲けをしたいと考える人も少なくありません。
それなのに、無料に見えるアプリがたくさんあります。大儲けまではいかなくても、使ってきたお金は取り戻したいはずなのに、無料のアプリがたくさんあるのはなぜですか。実は、それらの多くは、本当にお金がかかっていないのではなく、無料に見えるだけなのです。
無料に見えるのは次のような理由があるからです。
“無料の”ソフトウェアがどうして無料に見えるのか
広告を表示する
無料版には、広告が入っている。
ソフトウェア製作者は広告収入を得る。
機能を限定してある
無料版には、特定の機能が使用できないように制限を設け、有料版では機能制限が解除される。
ソフトウェアの大まかな使い心地を知ってもらうための体験版。
ハードウェアとセットになっている
ハードウェアに付属しているソフトウェア。
ハードウェアの代金にソフトウェアの代金も実は含まれている。
ハードウェアと切り離すことはできない。
宣伝効果
関連した製品やサービスを宣伝する。
ソフトウェア製作者自身のことも宣伝する。
独占
他の似たようなソフトウェアを使用させないようにする。
データ収集
使用者の個人情報などのデータをソフトウェア製作者が抜き取る。
知らないうちにデータを抜き取られる。
高い志
JW Libraryのように、人の役に立ちたいという気持ち。
悪意
使用者や社会に何らかの害を与える。
特に、広告が表示される無料アプリを見かける機会が多いと思います。アプリを使おうとするたびに表示されたり、画面のすみにいつも広告が表示されたりします。
広告は見ていると、最初は嫌だと感じても、だんだん興味がわいてしまうことがあります。それで、広告つきの無料のアプリには注意しましょう。きちんとお金を払えば広告が表示されなくなるものもあります。または、似たような機能の別のアプリを探すこともできます。
とにかく、ソフトウェアを作るにはそれなりにお金がかかっています。それで、無料に見えるには、広告を表示するなどの何らかの方法でお金を取ろうとしていると考えるようにしましょう。
ワンポイント-「何でも無料」という考え方に気をつけましょう。
エホバの証人の出版物は無料です。王国会館の集会で寄付を強要されることもありません。イエス・キリストの「ただで受けたのです。ただで与えなさい」という指示に従っているからです。JW Libraryが無料なのもそうです。
だからといって、「エホバの証人に頼めば何でも無料でやってくれる」と考えるのは間違いです。ただで受けたので、ただで与えるのは、宗教的活動だけです。
確かに、エホバの証人は、愛情深く親切です。いつも他の人を助けたいと思っています。同時に、エホバの証人の多くは、自分のことを「お金にうるさい人」と見られたくないとも思っています。それで、家の修理や、何かの手続きの代行をしても、費用を請求しないことがあります。本当は、費用を請求しにくく感じているだけなのかもしれません。 それで、親切でしてくれていることでも、頼んだほうからきちんと費用の話を持ち出しましょう。「何でも無料」という考え方は間違いです。「正しさを無視して自分の家を建て…賃金を払おうとしない者には災いがある」と警告されているからです。
次は、悪のソフトウェアとそれに立ち向かう方法について考えます。