NW-18 必ずぶつかる?Webブラウザーでの気になるあれこれ

07-04 必ずぶつかる?Webブラウザーでの気になるあれこれ 賢くインターネットを使う

[Webブラウザーでこれだけは知っておきたいこと]では、Webブラウザーというアプリの知っておきたい仕組みを考えました。

あなたはもう、Webブラウザーを使っていることでしょう。
この記事では、Webブラウザーを使っていると、必ずぶつかる気になるあれこれを考えます。

キャッシュが古くなる?

Webブラウザーは、世界中にあるWebサーバーというコンピューターからWebページを受け取り、人間が見やすいように表示します。
あなたが、JW.ORGの記事を見ようとすると、Webブラウザーは、JW.ORGのWebサーバーからWebページを受け取って、あなたが見やすいようにします。

何度も同じWebページを閲覧することもあるので、WebブラウザーはWebページを一時的に保存しています。このような一時的な保存をキャッシュ(Cache)といいます。

ワンポイント-キャッシュ?お金のこと?

キャッシュ(Cache)は、キャッシュ(Cash)ではありません。Cacheは、貯蔵するところという意味です。もう1つのCashは、現金のことです。
キャッシュ(Cache)と呼ばれる工夫は、コンピューターのいろいろなところで使われています。キャッシュ(Cache)は、何度も使うデータを一時的なところに保存して素早く取り出すことです。キャッシュ(Cache)を使うと、コンピューターの動作が早くなります。
今考えているWebページのキャッシュ(Cache)は、WebブラウザーがWebサーバーから受け取ったWebページを一時的に保存する仕組みです。
買い物の話ではない時にキャッシュという言葉が出てきたら、キャッシュ(Cash)ではなく、キャッシュ(Cache)のことだと思ってください。

Webブラウザーのキャッシュは、レストランの作り置き料理のようなものです。よく注文される料理を作り置きしておけば、1から作るよりも早く料理が出せます。
何度も見るWebページも、毎回Webサーバーから受け取ると、それだけ通信容量と時間がかかります。あなたのコンピューターの中に一時的に保存したものを使えば、通信容量と時間を節約できます。
もちろん、作り置き料理には食べていい期限が決められています。古くなった料理は、味が落ちるし、いたむかもしれないからです。同じように、Webページのキャッシュにも使っていい期限が決められています。もしも、Webページのキャッシュに期限がなかったら、WebサーバーにあるWebページの内容が新しくなっても、いつまでもキャッシュの古い内容のままになってしまいます。
それで、キャッシュが期限切れになったら、Webサーバーからもう一度Webページを受け取ります。

ところが、このWebページのキャッシュを期限が切れた後も使ってしまうことがあります。それがもとでWebページが正しく表示されなくなります。
他のWebページはきちんと閲覧できるのに、あるWebページだけ正しく表示できないとしたら、まず気にしてほしいのは、Webページのキャッシュが古いままになっているかもしれないことです。

そういうことがあるので、Webブラウザーには、キャッシュを消す機能があります。この機能は、キャッシュを全部まとめて消します。

ワンポイント-キャッシュを消す機能は必ずある。

Webブラウザーによって少し手順に違いがありますが、必ずキャッシュを消す機能を持っているはずです。
キャッシュだけでなく、クッキーも消せます。クッキーにも使っていい期限が決められているものがあり、キャッシュとクッキーが一緒になって、うまく動かない原因になることがあります。クッキーについては、[そんなに気にする?Cookieのこと]という記事があります。
どのWebページも正しく表示できている時でも、キャッシュは消してもかまいません。しかし、クッキーを消すと、あなたが使いやすくした設定が全部消えてデフォルトになってしまいます。

インターネット通信がきちんとつながっているのに、Webページが正しく表示できない時は、まずWebページのキャッシュを消してください。たいていこれで正しく表示できます。

パスワード管理機能に頼り切らない

コンピューターを使っていると、本人確認しなければならない時があります。その時に使うのがIDとパスワードです。IDとパスワードのことをアカウントといいます。詳しくは[面倒くさい?それとも便利?IDとパスワード]という記事があります。

インターネットでは、IDとパスワードがよく必要になります。それで、Webブラウザーには、一度入力したIDとパスワードを記憶しておく機能があります。そうして記憶させておけば、もう一度そのWebページでIDとパスワードを聞かれたときに、自動的に入力されます。

アカウントを安全に使うには、パスワードを最低でも1年に1回は新しいものに変えなければなりません。その時に、新しいパスワードが思い浮かばなくて困ることもあるでしょう。それに、全部の“入り口”で違うパスワードを作らなければなりませんから、混乱してしまいます。
最近のWebブラウザーは、新しいパスワードを決める時に、新しいパスワードを作り出して提案する機能があります。Webブラウザーが作り出すパスワードは、あなたが簡単に思いつく言葉とは関係がないので、あなたを知っている誰かにわかってしまう心配はありません。

Webブラウザーは、IDとパスワードを楽に扱えるように、IDとパスワードを記憶したり、新しいパスワードを提案したりして、あなたの代わりに管理してくれます。
これは、とても便利な機能ですが、IDとパスワードの管理は、Webブラウザーに任せきりにしないほうがいいです。
Webブラウザーに任せきりにすると、あなた自身のIDとパスワードを気にする気持ちがなくなってしまうからです。そうなると、1年に1度ぐらいの期限でパスワードを新しくすることも忘れてしまうでしょう。
また、急に自分のものではないコンピューターを使うこともあります。例えば、タブレットを家に忘れた時に、急に王国会館のPCでJW.ORGの会員向けのWebページを見たい時もあります。

WebブラウザーのIDとパスワードを管理する機能は、あなたの手助けをします。手助けなので、任せきりにしてはいけません。
自動的にIDとパスワードを入力する機能と新しいパスワードを作り出す機能を使うとしても、あなたはきちんと紙に記録して、大切に保管しておきましょう。

ワンポイント-そもそもコンピューターをあなたしか使えないようにしておく。

WebブラウザーにIDとパスワードを記憶させて自動的に入力させる機能を使うことにしたら、そもそもあなたのコンピューターは、あなたしか使えないようにしておくことが大切です。
例えば、大勢がいるところで、テーブルの上にスマートフォンを置いてトイレに行ったとします。その間に誰かがスマートフォンを勝手に使って、IDとパスワードを使うかもしれません。また、家族は信頼していても、家族の知り合いが家に入ってあなたのコンピューターを使おうとするかもしれません。
コンピューターをあなたしか使えなくするにはどうすればいいでしょうか。コンピューターに電源を入れた時だけでなく席を外すときにもPINコードという数字を入力するようにしておきましょう。PINコードの数字は6桁以上にして、誕生日やバプテスマの日付などの簡単に思いつくものは使わないようにします。
WindowsのPCやMacを家族みんなで使う時も、それぞれのアカウントを作れます。未成年者のアカウントは大人が管理できるようにもできます。
とにかく、席を外す時は、コンピューターを必ずロックして、PINコードを知っているあなたしか使えないようにしてください。
指紋や顔などの生体認証は、PINコード入力の代わりになります。

[お気に入り]と履歴

Webブラウザーの[お気に入り]は、よく閲覧するWebページや、検索して見つけた役立つ情報のURLを登録できます。[お気に入り]に登録したURLは、後で素早く開けます。[お気に入り]は、ブックマークとも呼ばれます。
特に、インターネット上の銀行やクレジットカード会社のWebサイトを[お気に入り]に登録しておきましょう。銀行やクレジットカードの確認や操作をする時は、必ず[お気に入り]に登録したURLを使うようにしてください。そうすれば、メールで送られてくる偽サイトのURLを注意しないで閲覧してしまわないで済みます。

ワンポイント-WebブラウザーとJW Libraryの[お気に入り]は違う。

JW Libraryにも[お気に入り]があります。よく使う資料を素早く表示する機能です。
このように、Webブラウザー以外にも、[お気に入り]と呼ばれる機能を持っているアプリがあります。[お気に入り]機能は、アプリによっていろいろあります。例えば、文書作成アプリなら、よく使う用紙サイズやよく使う文字の色などが[お気に入り]に登録できます。そうすれば、素早くその用紙サイズで文書作成できます。
Webブラウザーの[お気に入り]は、WebページのURLを記憶させる機能で、JW Libraryの[お気に入り]とは別です。

履歴は、これまでWebブラウザーで閲覧してきたWebページのURLを記録してあります。履歴を調べると、あなたがこれまでどんなWebページを閲覧したかがわかります。

Webブラウザーの[お気に入り]と履歴は、あなたがインターネットで何をしていたかを記録しています。その記録は、あなたがどういう人かを少し表します。凶悪事件などの容疑者のコンピューターが警察に押収されると、まず調べられるのは、インターネットの履歴です。何を見て何を検索していたかは証拠や動機を知る手掛かりになるからです。

もちろん、[お気に入り]は整理できます。また、履歴は消したり残さなくしたりもできます。

複数のコンピューターで同期する

あなたが複数のコンピューターを持っていたらどうなりますか。ここからは、わかりやすくするために、今使っているコンピューターと、もう1台コンピューターを持っていることにします。3台以上コンピューターを持っていても考え方は同じです。
昔は、それぞれの[お気に入り]などが違っていて、合わせるのがかなり大変で、こちらのコンピューターの[お気に入り]には登録されていてももう1台のコンピューターの[お気に入り]には登録されていないということがよくありました。

今は、複数のコンピューターで、IDとパスワードや[お気に入り]が同じになります。こちらのコンピューターでIDとパスワードを記憶させたり、[お気に入り]を登録したりすると、もう1台のコンピューターにもIDとパスワードが記憶され[お気に入り]も登録されます。
このように、複数のコンピューターで同じ設定になることを同期といいます。

ただ、同期されるのは、どちらのコンピューターも同じWebブラウザーを使っている時です。そして、同じアカウントでWebブラウザーにサインインします。
例えば、どちらのコンピューターもWebブラウザーをGoogle Chromeにします。どちらのコンピューターのGoogle Chromeも同じGoogleアカウントで使うと、どちらのコンピューターのGoogle Chrome同士で同期されて、IDとパスワードや[お気に入り]が同じになります。
Safariは、Appleのコンピューターでしか動きませんが、iPadとiPhoneとMacで同期されます。そういう事情があるので、1つAppleのコンピューターを使うと、次もAppleのコンピューターでそろえたくなります。
Microsoft Edgeなら、WindowsのPCだけでなくAndroid用やAppleのコンピューター用もあります。同じMicrosoftアカウントを使えば同期できます。

何台コンピューターを持っていても、あなたが使うWebブラウザーをどれかに決めておくと、同期して同じように使えます。
これは便利ですが、落とし穴もあります。
例えば、あなたの部屋で使うコンピューターと、リビングで家族も使えるコンピューターが同期していたら、あなたのIDとパスワードを家族や家族の知り合いが使うかもしれません。

何が同期されているか確認して、同期していいものと同期しないようにしておくものを決めておくとよいでしょう。

ワンポイント-Google ChromeがGoogleではなくなる?

Googleは、大きくなりすぎました。あなたも、メールはGmail、たまに見る動画はYouTube、気になることを調べるにはGoogle検索など、知らないうちにGoogleのサービスを使っていることでしょう。この記事を閲覧しているWebブラウザーはGoogle Chromeかもしれません。
あなたは気にしていないかもしれませんが、インターネットでできることがどこか1つの会社にかたよるのは、いろいろと良くないことになります。
自動車のことをイメージしてください。もし、日本中のほとんどの自動車がトヨタになったとします。ガソリンスタンドでも、自動車修理工場でもトヨタの自動車だとすぐに対応してくれますが、他のメーカーの自動車は後回しにされるかもしれません。トヨタの自動車を持っている人なら、これはうれしいことですが、他のメーカーの自動車を持っている人にはとても不公平です。
それに、他のメーカーで働く人もだんだん減っていくことでしょう。そうすると、トヨタとは違う技術が生まれなくなります。やがて、トヨタの技術が、国の標準的な技術になっていき、トヨタが作り出した新しい技術をみんなが受け入れていくしかなくなります。
もちろん、これはイメージです。
でも、コンピューターやインターネットの世界では、そういうかたよりが起きています。インターネットの世界は、Googleにかたよっています。Googleの思い通りにインターネットがコントロールされて、Google以外の技術がだんだんなくなってしまいます。
それで、アメリカ司法省は、GoogleからGoogle Chromeを切り離して、他の会社に売るように求めています。
もしそうなると、あなたがGoogle Chromeに記憶させたIDとパスワードや登録した[お気に入り]を、Google以外の会社が管理することになるかもしれません。ちゃんと管理して悪用しない会社だといいですね。

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