08 物忘れがひどいコンピューターの忘れない仕組み

08 物忘れがひどいコンピューターの忘れない仕組み ずっと走り続けるために

意外に感じるかもしれませんが、コンピューターチップは、記憶力がよくありません。次から次へと計算処理をしなければならないからです。
でも、あなたはコンピューターに、いろいろなデータを覚えていて簡単に取り出せることを期待します。
物忘れがひどいコンピューターが、忘れなくなるために、どんな仕組みを使っていますか。

とても早くやり取りできるメモリ

メモリは、電気信号を記憶しておける部品です。
メモリは、コンピューターチップにとって1番素早くやり取りできるので、ソフトウェアも記憶されています。コンピューターチップは、メモリから順番に動き方の指示を読み込みます。
コンピューターチップは、計算処理の結果をメモリに記憶させます。計算処理の結果をさらに別の計算に使うこともあるからです。それから、必要なところへ電気信号を出力します。
このように、メモリがないと、コンピューターチップは、どういう計算処理をすればいいかわかりませんし、計算結果を覚えておいてあとで使うこともできません。

コンピューターチップにとって、なくてはならないメモリですが、欠点が2つあります。それは、電気がないと記憶が消えてしまうことと、値段が高いことです。本当は、メモリはあればあるだけいいものですが、コンピューター全体の値段をあまり高くしないように、ぎりぎりか少し足りないぐらいの量しか取り付けられていません。

長い間記録しておけるストレージ

ストレージは、メモリの欠点を補うための部品です。電気がなくても消えない仕組みのものや、少しの電気で消えないようになっているものがあります。

あなたは、フロッピーディスクやハードディスクという言葉を聞いたことがあるかもしれません。フロッピーディスクはほとんど見かけなくなりましたが、ストレージの仲間です。ハードディスクは今でも使われていますが、SSD(Solid State Drive)を使う機会のほうが多いでしょう。

ワンポイント-ハードディスクとSSDはどこが違う?

ハードディスクは、磁石で金属板に記録するものです。SSDは、電気信号を記録するものです。
ハードディスクの良いところは、低価格で大容量にできることと、電気がなくても消えないことです。
ハードディスクは、金属の円盤に針のようなもので記録しています。それで、傾けたり、衝撃を受けたりすると傷ついて故障してしまいます。また、小型化するのに限界があります。
SSDの良いところは、ハードディスクよりも高速で、持ち運ぶぐらいの傾きや衝撃には耐えられます。現在は、幅22ミリ、長さ80ミリという2280と呼ばれるサイズのものがよく使われています。
SSDは、電気信号をためておくので、電気が完全になくなったら消えてしまいます。また、電気信号が乱れると全体に記録が壊れます。
SSDは、ハードディスクよりは高価です。

ストレージには、他にもたくさん種類があります。次のように使い道でざっくり分けられます。

  • メインで使えるのは、SSD。
  • 長期保存は、ハードディスク。
  • 持ち運びは、USBメモリやSDカード。

ストレージは、メモリと比べると安くて容量が大きくできます。しかし、ストレージは、メモリのような速さはありません。ストレージではSSDは速いほうですが、それでもメモリのように速くはやり取りできません。

JW Libraryなどのアプリは、ストレージに入っています。あなたがアプリを使おうとすると、ストレージに入っているアプリがメモリに読み込まれます。そして、コンピューターチップはメモリに読み込まれたアプリを実行します。

ワンポイント-メモリの無駄遣いに注意!!

アプリをたくさん動かすと、メモリにアプリがぎちぎちに読み込まれます。メモリはコンピューターそのものの値段を抑えるために限られた量しか取り付けられていませんから、すぐにいっぱいになってしまいます。
それで、アプリは使い終わったら閉じるようにしましょう。アプリを閉じると、その分のメモリが空きます。
コンピューターの動作が遅くなったりおかしくなったりする1番の原因は、アプリを次から次へと使ったままにして、メモリがいっぱいになっていることです。

ストレージの中のデータはファイル名がつけられてフォルダーで整理される

ストレージに記録されたデータのまとまりのことをファイルといいます。あなたが撮影した写真や動画もファイルです。アプリそのものもファイルです。
ファイルには名前が付けられています。あなたが撮影した写真や動画は、日付と時刻がファイル名になっていることでしょう。ファイル名は、あなたにとっても大切ですが、コンピューター自身にとっても大切です。ストレージの中からどのデータをメモリに読み込むかはファイル名で決めているからです。
コンピューターは、いい加減なことはできません。それで、ファイル名が1文字でも違うと、違うファイルだと判断します。逆に、ファイル名が指定された通りだと、中身が違っていても何とか読み込もうとします。

ストレージの中は、いろいろなファイルでいっぱいになってきます。それを整理する入れ物がフォルダーです。
写真ファイルは写真用フォルダーに整理します。動画ファイルは動画用のフォルダーに整理します。アプリに関係するファイルは、アプリのためのフォルダーに整理してあり、コンピューターに詳しくない人には見えないようにしてあります。

1つのフォルダーの中には、同じ名前のファイルを2個作ることはできません。

まとめ

コンピューターチップは、次から次へと計算処理をしていくので、メモリにいろいろ記憶します。でも、メモリは電気がある時しか記憶していません。そこで、長期保存のできるストレージを使います。ストレージは、メモリのようには速くありませんから、必要なところをメモリに読み込みます。

ストレージの中のデータは、ファイル名が付けられていて、フォルダーで整理されます。

コンピューターの宣伝では、ストレージの容量が強調されますが、本当に気にしなければいけないのは、メモリの容量です。

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