前の記事では、あなたがコンピューターを使って何かしたいと思ったらそれを手伝ってくれるアプリを探すということを考えました。
インターネットでアプリを探して見つけるのは、部屋に置く家具を探すことに似ています。
アプリをダウンロードするのは、家具を手に入れてあなたの部屋に運ぶことに似ています。
インストールは、あなたの部屋で家具を組み立てるようなことです。あなたのコンピューターの中でダウンロードしたアプリの部品を組み立てて、あなたが使えるようにするのがインストールです。
インターネットでアプリを探したら、どこからダウンロードできるでしょうか。
アプリはどこから手に入れるか
アプリはどこからダウンロードしますか。アプリは、アプリストアからダウンロードします。アプリストアは、インターネットとつながっていて、いろいろなアプリが集められています。
Android用のアプリは、Google Playというアプリストアからダウンロードします。Google Playという名前なのでゲームアプリしかないように考える人がいますが、ちゃんとゲームではないアプリもあります。
iOSとiPadOS用のアプリは、App Storeというアプリストアからダウンロードします。
Windows用のアプリは、Microsoft Storeというアプリストアからダウンロードします。
アプリストアは、無料のアプリと、有料のアプリの両方を取り扱っています。
例えば、エホバの証人や聖書に関心を持つ人が使うJW Libraryというアプリがあります。エホバの証人が使うものなので、公式WebサイトJW.ORGからダウンロードできると考える人がいるかもしれません。でも、JW.ORGにはJW Libraryの紹介はありますが、アプリそのものはアプリストアからダウンロードします。
Android用のJW Libraryは、Google Playからダウンロードします。
iOSとiPadOS用のJW Libraryは、App Storeからダウンロードします。
Windows用のJW Libraryは、Microsoft Storeからダウンロードします。
Androidが入ったスマートフォンやタブレットはいろいろなメーカーが作っていますが、中に入っているAndroidはGoogleが作っています。Android用のアプリストアのGoogle Playも、もちろんGoogleがやっています。
iOSはiPhoneに入っているOSで、iPadOSはiPadに入っているOSです。iPhoneとiPadも、iOSとiPadOSも、全部Appleが作っています。iOSとiPadOS用のアプリストアのApp StoreもAppleがやっています。
PCそのものはいろいろなメーカーが作っていますが、中に入っているWindowsはMicrosoftが作っています。Windows用のアプリストアのMicrosoft Storeも、Microsoftがやっています。
OSを作っているメーカーがアプリストアも、それぞれやっているのは、どうしてでしょうか。
アプリストアがある本当の理由
アプリを作る人たちは、世界中にいます。個人で作っていることもあれば、大きな会社で作っていることもあります。JW Libraryを作っているのは、エホバの組織の人たちです。
便利なアプリがたくさんあれば、みんながそのアプリを使うためにコンピューターを手に入れます。
Android用の便利なアプリがたくさんあれば、Androidの入ったコンピューターがたくさん売れます。
iOSとiPadOS用の便利なアプリがたくさんあれば、iPhoneとiPadがたくさん売れます。
Windows用の便利なアプリがたくさんあれば、Windowsの入ったコンピューターがたくさん売れます。
でも、アプリを作る人たちの中には悪い人たちもいます。便利そうなアプリに見せかけて、使っている人たちの情報を全部盗んだり、偽サイトに誘導したりします。他にも悪いことはたくさんあります。
もしも、悪いアプリがたくさんあると、みんなは心配になります。
Android用の悪いアプリがたくさんあれば、Androidの入ったコンピューターは売れなくなります。
iOSとiPadOS用の悪いアプリがたくさんあれば、iPhoneとiPadは売れなくなります。
Windows用の悪いアプリがたくさんあれば、Windowsの入ったコンピューターは売れなくなります。
それで、アプリストアは、アプリを審査しています。本当に便利なアプリで、悪いことをしないかどうかを調べています。特にAppleのApp Storeの審査は厳しく、安全性だけでなく、見た目なども細かく調べられます。便利で美しいアプリがたくさんあるのが、iPhoneやiPadの特徴になるからです。
アプリをアプリストアからダウンロードすると、あなたのコンピューターにインストールしてくれます。
あなたも、何かアプリをアプリストアから手に入れたことがあるでしょう。その時に、ダウンロードとインストールが自動的に進んでしまったので、アプリはダウンロードとインストールをしないと使えるようにならないということがわからなかったのかもしれません。
MacとWindowsの入ったPCの事情
MacとWindowsの入ったPCは、アプリストアの仕組みができる前からあるので、これまで考えてきたことと違うことがあります。
Macの事情。
MacはAppleが作っているコンピューターです。MacにはmacOSというOSが入っています。
macOSもAppleが作っています。
最近のMacは、中身がiPadに近いので、App Storeからダウンロードしたアプリが動きます。JW LibraryもMac用はありませんが、iOSとiPadOS用のものが動くようです。
ただし、全部のiOSとiPadOS用のアプリが動くわけではありません。
Macの他のアプリは、家電量販店で買えたり、インターネットからダウンロードできたりします。そういうアプリはApp Storeの審査を受けていません。
Windowsの入ったPCの事情。
PCそのものはいろいろなメーカーが作っています。そのPCにWindowsというOSを入れて、Windowsの入ったPCになります。
Windows用のアプリは、Microsoft Storeからダウンロードできます。
それだけでなく、Windows用のアプリは、家電量販店で買えたり、インターネットからダウンロードしたりできます。
エホバの証人が使うWatchtower LibraryというWindows用のアプリは、JW.ORGから直接ダウンロードできます。
Microsoft Storeからダウンロードしたアプリは、インストールまでやってくれますが、それ以外のアプリは、自分でインストールしなければなりません。
良いこと? 悪いこと? サイドローディング
Android用のアプリもiOSとiPadOS用のアプリもWindows用のアプリも、だいたいはアプリストアからダウンロードします。
アプリストアからダウンロードするのは、使う人にとって良いことです。アプリストアが審査して、便利で安全なものだけを使えるからです。
でも、アプリストアからダウンロードするのではなく、インターネットから自由にダウンロードできるようにしようという考え方があります。これをサイドローディングといいます。
MacやWindowsは、アプリストアができる前からあるので、最初からそうなっていました。
でも、なぜアプリストアからダウンロードするのではないサイドローディングが良いと考えられるのでしょうか。
サイドローディングの良いところ。
サイドローディングが良いと考えられる理由は何ですか。答えを見つけるには、アプリをアプリストアからしかダウンロードできないのは何が困るかを考えてみましょう。
わかりやすいように、小さいお店がまったくなくなってしまって、決まったコンビニエンスストアとスーパーマーケットしかなくなった世の中をイメージしてください。どこの町もそうなってしまったらどうでしょうか。
野菜や食べ物を買うのも、服や文房具も買うのも決まったコンビニエンスストアかスーパーマーケットです。
そのコンビニエンスストアとスーパーマーケットでしか買い物をしたことがない人にとっては、それは当たり前のことで、気になることは何もありません。
しかし、そのコンビニエンスストアとスーパーマーケットは大儲けします。他にお店がないので、勝手に値段を決められます。
それだけでなく、売りたいものを勝手に決められます。曲がった野菜や、形が少し悪いものは、味が良くても扱ってもらえません。本当は味がそんなに良くなくても、形が一定なら売ってもらえます。
イメージできましたか。
アプリが決まったアプリストアからしかダウンロードできないのは、決まったコンビニエンスストアとスーパーマーケットからしか買い物ができないのに似ています。多くの人にとっては、アプリはアプリストアからしかダウンロードしたことがないので、それが当たり前のことで、気になることは何もないように思えるでしょう。
スマートフォンは、Androidが入ったものか、iPhoneしかないので、Google PlayかApp Storeを使うことになります。有料アプリを作った人たちは、アプリストアで売ってもらうために手数料をGoogleとAppleに支払っています。これは、農家が野菜を売ってもらうためにスーパーマーケットに手数料を支払っているようなものです。そうすると、GoogleとAppleだけが儲かります。
サイドローディングでは、アプリストアだけでなく、インターネットから自由にアプリをダウンロードできるようになるので、GoogleとAppleだけが儲けるということはなくなります。これは、農家が野菜を自分でも売れるようになるようなことです。
サイドローディングでは、アプリストアの審査を受けないでアプリを公開できます。アプリストアの審査には時間がかかり、アプリを作った人の予定と合わなくなることがあります。
また、アプリストアの審査は、GoogleやAppleやMicrosoftが自分たちの考えで良いアプリか悪いアプリかを決めています。今はまだそれほどではありませんが、もっとポリコレなどの考え方が審査に影響してくるかもしれません。
ワンポイント-ポリコレって何?
ポリコレは、ポリティカルコレクトネスの略で、差別や偏見をなくそうという強い考え方のことです。
差別や偏見をなくそうとするのは良い考えですが、ポリコレは少し極端な考え方です。例えば、ポリコレの考え方では、ゲームや映画の主人公の肌の色が白っぽくて美男美女だと、それだけで、差別的だといわれます。ポリコレの考えが入ったゲームや映画は、肌の色が黒っぽい体形の崩れた“多様な性”の主人公が登場します。
ポリコレを受け入れないと時代遅れとか反社会的だとみなされてしまうため、多くの人が心の奥ではうんざりしながら、ポリコレの極端な考え方の言いなりになっています。
サイドローディングでは、アプリストアの審査がないので、作った人の予定でアプリを公開できます。
また、ポリコレなどの極端な考え方を取り入れていないアプリも心配しないで公開できます。
JW Libraryがサイドローディングでダウンロードできるようになると、予定通りにJW.ORGから直接ダウンロードできるようになります。年次総会などのエホバの証人の大きいイベントでJW Libraryの新機能を発表できて、その日から使えるようになります。
聖書の神様は不公平ではありませんが、男性と女性にそれぞれの役割を与えています。JW Libraryで読める記事は、“多様な性”ではなく、聖書の道徳の規準を教えます。ポリコレの考え方がアプリストアの審査に入り込むと、JW Libraryは審査を通らなくなるでしょう。JW Libraryがサイドローディングでダウンロードできるようになれば、そういう心配なく使えます。
サイドローディングの悪いところ。
良いことだらけのようなサイドローディングですが、とても大きな悪いところがあります。
それは、審査されないので悪いアプリがダウンロードできることです。
Mac用やWindows用のアプリは、今でもインターネットから自由にダウンロードできます。もちろん、便利で良いアプリもたくさんありますが、危険な悪いアプリもたくさんあります。危険な悪いアプリのことをマルウェアといいます。コンピューターウィルスという言葉を聞いたことがありますか。コンピューターウィルスもマルウェアの1つです。
アプリストアの審査は、便利そうなアプリでもマルウェアのような動きをするアプリを取り除いています。サイドローディングで自由にダウンロードできるようになると、マルウェアがたくさん入り込むようになります。
Android用のマルウェアがたくさんあれば、Androidの入ったコンピューターは売れなくなります。
iOSとiPadOS用のマルウェアがたくさんあればiPhoneとiPadは売れなくなります。
Windows用のマルウェアがたくさんあればWindowsの入ったコンピューターは売れなくなります。
今も、Windows用のマルウェアはたくさんあります。Windowsは毎日のように強くなってマルウェアに負けないようにしています。
ワンポイント-アプリストアの審査を通っていても悪いアプリはある!!
悪いアプリは、アプリストアの審査を通れません。
でも、アプリストアの審査に合格したアプリが全部良いアプリだと言えるでしょうか。
例えば、JW LibraryやWatchtower Libraryの他にも、聖書やエホバの証人の出版物を扱ったアプリがあります。そういうアプリはJW.ORGから勝手に記事や動画を抜き出しています。それは、とても悪いことです。
もしかすると勝手に書き換えて、聖書の教えをゆがませているかもしれません。
アプリストアからダウンロードできるアプリでも、悪いアプリはあります。
まとめ
あなたがコンピューターを使って何かしたいと思ったら、それを手伝ってくれるアプリを探しましょう。
良さそうなアプリを見つけても、あなたのコンピューターのOSと合っていないと使えません。OSは、アプリにとって土台になっているソフトウェアです。このOSという土台とぴったり合わないとアプリは動きません。
AndroidというOSが入ったコンピューターは、Android用に作られたアプリしか動きません。iOSとiPadOS用に作られたアプリは動きません。
iOSとiPadOSというOSが入ったコンピューターは、iOSとiPadOS用に作られたアプリしか動きません。Android用のアプリは動きません。
WindowsというOSが入ったコンピューターは、Windows用のアプリは動きません。iOSとiPadOS用に作られたアプリは動きません。
あなたのコンピューターで使えそうなアプリを見つけたら、ダウンロードとインストールをしましょう。
アプリのダウンロードは、アプリの部品をあなたのコンピューターに運び込むことです。
アプリのインストールは、ダウンロードした部品をあなたのコンピューターの中で組み立てることです。
たいていのアプリは、アプリストアからダウンロードします。アプリストアからダウンロードすればインストールまでやってくれるので、すぐに使えるようになります。
Android用のアプリは、Google Playというアプリストアからダウンロードします。
iOSとiPadOS用のアプリは、App Storeというアプリストアからダウンロードします。
Windows用のアプリは、Microsoft Storeというアプリストアからダウンロードします。
アプリストアは、マルウェアのような危険な悪いアプリを取り除いて、便利で安全なアプリだけになるように、アプリを1つずつ審査しています。
もっと自由にアプリをダウンロードできるようにするサイドローディングという考え方もあります。
アプリがアプリストアからしかダウンロードできないのは、まるでどこの町でも決まったコンビニエンスストアとスーパーマーケットしかないようなものです。慣れてしまった人にとっては、気になるところは何もありません。でも、決まったコンビニエンスストアとスーパーマーケットしかないと、値段や売るものを勝手に決めるようになるかもしれません。
アプリがアプリストアからしかダウンロードできないと同じようなことが起きます。



